仮設土留め
斜め土留め工法
土留め壁を傾斜させ支保工を省略。急速施工に貢献します
斜め土留め工法とは?
地下を掘削する際には、土が内側に倒れようとする圧力(土圧)が働きます。そのため、開削工事では土圧に抵抗するための土留め壁が必要です。深い開削工事では、さらに大きな土圧に抵抗するため、土留め壁に加えて支保工(切梁、中間杭、グラウンドアンカーなど)が必要になります。
そこで、土留め壁は「鉛直」であるという従来の考え方から発想を転換し、背面側に傾斜した壁に作用する土圧は低減されるという土圧理論のもと、土留め壁を「傾斜」させて支保工を省略する「斜め土留め工法」を開発しました。
支保工を省略できることから掘削内部がオープンな空間となり、構築する躯体の品質向上、工程短縮、コスト縮減を実現します。
【適用範囲】
- 斜め土留め壁の傾斜角度は、施工条件により3~10度です。
- 土留め壁の仕様により、掘削深さは15m程度まで適用できます。
- 斜め土留め壁は、従来の施工機械で施工可能です。
お客様のメリット
躯体の品質が向上します
- 従来工法では、躯体に支保工の貫通部ができるため、止水処理が必要でした。支保工の省略により、躯体に貫通部がなくなり品質が向上します。
- 従来工法では、切梁が干渉するため、躯体のコンクリートを複数回に分けて打設しており、打ち継ぎ目が発生していました。支保工の省略により、躯体の打ち継ぎ目が少なくなります。
工程を短縮できます
- 支保工の架設・撤去にかかる工程を短縮できます。
- 支保工の省略で掘削内部がオープンな空間となり、掘削や躯体構築の施工性が向上し、工程を短縮できます
- 仮設土留め工、内部掘削、床付けまでの工程を従来工法に比べ約30%以上短縮できます。
コストを縮減できます
- 支保工の材料および架設・撤去にかかるコストが縮減されます。
- 仮設土留め工のコストが従来工法に比べ約20%縮減されます。
狭いスペースでも施工できます
土木学会賞や国土技術開発賞を受賞し、実績を積み重ねています
- 社会に貢献できる技術と認められ、平成24年度土木学会賞 技術開発賞、第16回国土技術開発賞 優秀賞を受賞しました。
【実績・適用例】
- そのほか病院駐車場新築工事、駅前広場整備工事、シールドトンネル工事土砂ピットなどでも適用しました。
【その他】
- NETIS登録番号:KT-190058-A