橋梁床版の大規模リニューアル

DAYFREE®

夜間車線規制のみで交通量の多い路線の床版取り替えを実現

DAYFREEとは?

DAYFREEは高速道路リニューアル工事における橋梁床版取替工事を夜間の片側車線規制のみで完了する工法です。従来の床版取替工事では橋桁上の床版の撤去、架設が完了するまで、上下線のいずれかを通行止めし、昼夜間の対面通行規制を行います。車線数が減少し、交通渋滞を引き起こす原因となり、対面通行による事故発生リスクもあります。また、対面通行規制を常時維持するためには大がかりな車線規制となり、多くの規制資材、規制維持のための労力を要します。車線数を確保するために仮橋(かりばし)によるう回路を設置する対策もありますが、都市部では用地の確保が困難なことから交通規制が避けられません。そのため、規制期間をできる限り短くすることが求められています。

DAYFREEは、トレーラーで運搬可能な半断面(2車線道路の1車線)分の床版を架設する移動式床版架設機「ハイウェイストライダー®」と、超高強度繊維補強コンクリート「スリムクリート®」で製作したプレキャスト板を床版同士の接合部に設置する「スリムNEOプレート®」での接合という2つの要素技術で、限られた時間内に既設床版の撤去から新たな床版の架設、路面復旧を可能としました。

DAYFREEは交通量の多い昼間は規制を解除することで、1日数万台という交通量がある都市部でのリニューアル工事においても、渋滞の発生を緩和できる技術です。

従来工法とDAYFREEの工事規制の比較

【DAYFREEの施工ステップ】

従来の取替工事での施工ステップは、古い床版の撤去、鋼桁の研掃(ケレン)作業、新しい床版の架設、床版接合部のコンクリート打設、防水・舗装工の5ステップを1サイクルとして昼夜間連続で施工するため、1サイクルが完了するまでの数日間、交通規制をする必要があります。

しかし、DAYFREEでは、交通量の少ない夜間に1車線を規制し、既設床版を撤去、仮設床版を設置して一旦交通開放します。翌日の夜間以降、鋼桁上面の研掃作業、設置した仮設床版の撤去、新しいプレキャストPC床版の架設を行います。この作業工程を1サイクルとして繰り返し、床版取替工事を完成させます。1サイクルの間でも、昼間は仮設床版を設置し交通開放しているため、車両は問題なく通行できます。

DAYFREEでの施工ステップ

【DAYFREEを可能にした新技術】

移動式床版架設機(ハイウェイストライダー)

DAYFREEでは夜間だけで床版の撤去、床版の架設、路面復旧までを完結し、交通量の多い昼間は車両の通行を可能とするため、従来では、床版撤去や架設には大型クレーンを使用していましたが、クレーンの設置、撤去に時間がかかることに加え片側車線規制内には収まらず、使用できません。

このため、半断面専用の移動式床版架設機(ハイウェイストライダー)を開発しました。ハイウェイストライダーは、支柱が鉛直・水平方向に伸縮可能な門型クレーンです。トレーラーで架設地点にて搬入後、支柱を伸ばすことで半断面に収まるように自動かつ短時間で設置し、撤去時も同様に支柱を収縮することでトレーラ-での短時間での搬出入が可能です。

移動式床版架設機(ハイウェイストライダー)の設置状況

昼間開放が可能な接合工法(スリムNEOプレート)

交通開放するためには、架設した床版同士間の接合部に所定の強度が必要となります。従来の鉄筋コンクリート構造では、所定の強度を得るのに、コンクリート打設後最短でも2~3日かかりました。工場製作のプレキャスト板を常温硬化型超高強度繊維補強コンクリート(スリムクリート)で製作し、床版の接合部に設置することで、速やかに昼間の交通開放が可能となります。

スリムNEOプレートは高強度を有するため、設置後は速やかに防水・舗装工に移れます。また、プレート下面に残る空隙は、道路を共用しながら床版下面からスリムクリートで充てんし、品質と長期耐久性を確保します。

プレキャスト床版接合部の構造概要

お客様のメリット

DAYFREEは橋梁床版取替え工事のすべての作業を夜間の片側車線規制内で完結できるため以下のメリットがあります。

交通量の多い昼間には規制を解除でき車線規制や速度規制による渋滞を緩和します

対面通行を行わないため、正面衝突事故などの重大事故の発生リスクを低減します

DAYFREEでは規制区間が短くなり、規制資材量の低減、規制維持のための監視員、誘導員などの労力を低減します

【実績・適用例】

  • 中央自動車道(特定更新等)弓振川橋床版取替工事

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