コンクリートダムの生産性向上

ダム型枠自動スライドシステム

型枠スライド作業の自動化により省人化や生産性向上を実現

ダム型枠自動スライドシステムとは?

コンクリートの重量で水圧を支える重力式コンクリートダムはコンクリートを下部から順次打ち重ねて建設します。コンクリート型枠は、打ち重ねが進むたびに足場と共にクレーンでつり上げて、作業員が位置を調整し建て込みます。しかしながら正確な位置に建て込むには、熟練の作業員でも多くの手間と時間を必要としていました。そのため従来から、コンクリート型枠の移動、設置作業を自動化し省人化を図ることは、生産性向上に向けて重要な課題の一つでした。

ダム型枠自動スライドシステムとは、自動クライミング機能を持つ昇降式足場や、型枠の位置情報を確認する測量システムなどを組み合わせることで、型枠の取り外し、スライド(縦移動)、位置決めから建て込みまでの一連の作業を、タブレットで操作できるシステムです。

標準のダム型枠(左図)スライドと型枠自動スライドシステム(右図)の比較

お客様のメリット

5人から1人へ省人化が可能

  • クレーンを使わずに作業ができることに加え、システムの操作はタブレットから行えるため、標準的なダム型枠作業で必要となる型枠工4人とクレーンオペレータ1人、計5人の作業を1人で行え、大幅な省人化が図れます。

型枠作業の施工速度が4倍に

  • 1ブロック(横幅15.0m)を打設する場合、従来は横幅3.0m×高さ1.5mの型枠を5枚並べて打設した後、1枚ごとにクレーンを用いてスライド作業を行います。本システムでは、一度に横幅15.0m×高さ3.0mで組んだ型枠を最大で2ブロック分(横幅30.0m)のスライドが可能です。高さも1回のスライドで2層分打ち重ねることができるため、標準的なダム型枠作業が約4倍の施工速度になり、生産性が向上します。

位置決めと移動を自動で実施

  • 型枠には測量機器(トータルステーション)のターゲットとGNSSのアンテナを設置しているため、型枠の座標を自動で測定します。型枠スライド後、タブレットに型枠と設置位置までの距離が表示されるため、操作者はその内容を確認し、指示するだけで走行装置により自動で型枠が移動します。
型枠自動スライド手順図(スライド作業の流れ)
ダム型枠自動スライドシステム

【実績・適用例】

  • 代表工事名称 川上ダム本体建設工事

【その他】

  • ダム型枠及び橋脚や立坑などのコンクリート壁のある構造物工事の型枠に適用可能

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