山岳トンネルの支保工技術

輪郭同調システム

吹付けコンクリートの作業を簡素化し品質向上を実現

輪郭同調システムとは?

山岳トンネル工事では、掘削して露出される岩盤面に支保部材であるコンクリートを吹付けて地山を補強しながら施工を進めます。コンクリートが吐出される吹付け機のノズルと岩盤面の距離が一定になるように、複数ある吹付け機の機構を一人のオペレーターが同時にレバーで操作しますが、吹付けの仕上がりや作業速度が作業員の技能に左右される作業であり、技能の熟練度によらない簡易な操作で運転できる吹付け機が求められていました。

輪郭同調システムは、切羽面とトンネル輪郭部に対して、自動で一定の距離を保ちながら吹付けコンクリートを可能にするシステムであり、技能の熟練度によらずに品質を確保することを可能にします。

輪郭同調システム概要図

お客様のメリット

ノズル距離を一定に保つよう機械がアシストし、短時間での操作習得が可能

  • 平面モードでは切羽面に対してアームが平面的に自動収縮することでノズルを常に一定の距離に保ち続けることができます。
  • トンネルの形状を設定することで、アーチ部分の吹付けに対しても自動で適切な弧を描く輪郭モードの機能も搭載し、平面モードと輪郭モードを切り替えながら操作することでオペレーターのレバー操作は簡易化され、短時間での操作方法の習得が可能になります。
従来型の動き方(左)と平面モードの動き方(右)
輪郭モードではアーチ形状にブームが動作

吹付けコンクリートの量を最小限にできトンネル内の作業環境を改善

  • ノズル距離が一定になることで、コンクリートの付着性を改善でき、跳ね返りを低減できるため、吹付けするコンクリートの量を最小限にできます。これにより、材料コストを削減でき、粉じん発生量も抑制するためトンネルの坑内環境を改善します。

吹付けコンクリート作業の生産性向上に寄与

  • 短時間での作業の習得が可能になり、吹付けコンクリートの材料ロスが最小限になることに加えて、吹付け作業時間そのものが低減でき、従来の方法と比較して生産性が著しく向上します。

大林組では、山岳トンネルの施工における生産性を飛躍的に向上させる「OTISM®(Obayashi Tunnel Integrated SysteM)」(※1)の構築に取り組んでおり、今回開発したシステムは、その中のトンネル掘削の安全性向上・省人化に関する一連のシステム「OTISM/Tunneling®(オーティズム/トンネリング)」(※2)の構成技術です。また、輪郭同調システムが従来の作業を簡素化させたことで、将来の吹付けコンクリート作業の自動化に向けた開発を加速させます。

  • ※1 OTISM(Obayashi Tunnel Integrated SysteM)
    山岳トンネル施工における掘削作業の安全・生産性向上、および覆工作業の品質向上・省人化、施工管理の意思決定の迅速化を図り、全体の生産性を向上させる一連のシステム
  • ※2 OTISM/TUNNELING
    OTISMのうち、トンネル掘削に関する一連のシステムを「OTISM/TUNNELING」として、5つの作業分野「穿孔・装薬」「ずり出し」「吹付けコンクリート」「支保工建込み」「ロックボルト打設」での安全性向上、省人化を実現する

【実績・適用例】

2022年4月から国内のトンネル工事現場にて、有効性を確認しています。

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