鋼製支保工のひずみをワイヤレスで計測

ハカルーター®

ひずみをリアルタイムに監視することで安全な作業環境を確保

ハカルーターとは?

山岳トンネルの安全な作業環境を確保するため、鋼製支保工に設置してひずみをワイヤレスで計測します。ひずみを計測する「ひずみゲージ」、データをワイヤレスで送信する「送信機」、データを受信する「受信機」、受信したデータを表示する「タブレットPC」、規定値を超えた場合に警報を発する「警告灯」で構成されます。

ハカルーター機器一式

山岳トンネル工事では、軟弱な地山をアーチ状の鋼製支保工と吹付けコンクリートで支えますが、鋼製支保工の形状や設置間隔は、切羽(岩盤掘削面)の状態を目視し決定します。地山に適合しない場合には大きなひずみが発生し、崩落などの危険があるため、鋼製支保工のひずみを計測し、応力の測定を行うことで地山との適合性を確認しています。

ひずみ計の設置は、掘削直後の切羽直近で配線作業を行うので、岩石の落下などのリスクありました。さらに、従来の目視や有線の計測システムではひずみの増大をリアルタイムで検知できないため、作業員への退避警告が遅れる可能性もありました。

ハカルーターは、ひずみの計測データを無線で送信し、リアルタイムで監視します。配線作業が不要なため、切羽への接近を排除でき、かつ落石の危険を察知した際には、警報を発するので迅速に作業員を退避させることができます。

ハカルーターの設置イメージ

お客様のメリット

リアルタイムでひずみを監視

  • 軟弱な地山を掘削する時など、突発的な鋼製支保工の崩壊が懸念される場合に、ハカルーターを一定の間隔で連続して設置することで、支保工の挙動をリアルタイムで監視できます。
  • 複数台の計測データは一台の計測用タブレットPCで一元管理され、ひずみまたは応力が規定値を超えた場合は、警告灯からの音と光で作業員に危険を知らせます。
  • 鋼製支保工の変形の収束に要する約1ヵ月間、バッテリーの交換をせず継続して計測できます。

支保工の適合性を早期に判断

  • 過去の計測事例から将来的に発生する応力を予測し、管理基準値と比較することで、支保工の適合性を早期に判断します。
  • 早い段階で支保工の適合性が判断できるため、鋼製支保工の変形が発生する前に対策を取ることが可能です。
将来発生する応力の予測イメージ

切羽付近での配線作業が不要

  • 送信機は場外で鋼製支保工に取り付けることができ、ひずみゲージで計測したデータは無線で送信するので、切羽でのケーブルの配線や防護作業が不要となり、配線作業時の落石による危険性が排除できます。
  • ハカルーターの受信機設置状況
  • 場外で設置が完了するため、鋼製支保工を建て込んだ直後からひずみを計測できることに加えて、送信機と受信機の距離を最大50mまで離せるので、計測値を安全に確認できます。
ハカルーターの送信機の設置状況

発破や湧水に対する高い耐久性

  • 鋼製の防護材で送信機を覆うことにより、発破による爆風や振動、坑内湧水に対して高い耐久性があります。

従来手法より安価

  • 場内で行っていた配線作業が不要となり、作業時間を短縮できます。
  • 送信機は繰り返し使用可能で、従来よりもひずみの計測に要する費用が2割程度削減できます。

【その他】

  • NETIS登録番号:KT-220067-A

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