ムーバルデッキ®
吊り足場の組み立て、解体、点検作業を安全・効率的に実施
ムーバルデッキとは?
高速道路や橋梁のリニューアル、点検において、作業用の吊り足場を安全かつ効率的に組み立て・解体できる移動足場です。
ムーバルデッキは移動機構と作業床で構成されています。移動機構には橋桁の下フランジを把持(はじ)するアームがあり、これによりムーバルデッキは橋梁などに安全にぶら下げられ、支持されます。

橋梁リニューアル工事では、橋梁下部に吊り足場を設置することが一般的ですが、吊り足場の組み立て・解体作業時には足場の端部が開口部となるため、墜落災害の危険が伴います。ムーバルデッキを足場端部の開口下に設置することで、常に足場上で吊り足場の組み立て・解体作業を行えるようになるため、安全性と施工性が向上します。
橋梁点検・維持補修工事では、施工箇所が点在するケースが多くあります。作業員や資機材の移動のために、橋梁下部全面に吊り足場を設置すると、足場面積が増えてコストが高くなります。また、橋梁点検車を使用する場合には、橋面上に車両を配置するため交通規制が必要となります。
ムーバルデッキは、点検・補修作業で必要な最小面積の作業床を、施工箇所まで橋面下を自走して設置できます。このため、全面吊り足場よりもコストを縮減でき、また、橋梁点検車による作業で必要となる橋面の交通規制も排除できます。

(https://www.qsr.mlit.go.jp/n-park/construction/pdf/20220201roudousaigaibousi02.pdf)を加工して作成

お客様のメリット
安全性・施工性の向上
吊り足場の設置・解体作業の進捗に合わせて、ムーバルデッキを足場端部の下に移動します。吊り足場とムーバルデッキを常に、上下にラップさせ、吊り足場端部の開口をなくすことで作業の安全性を確保できます。


吊り足場板の設置に先行して、ムーバルデッキ上から吊りチェーン・クランプなどを設置できます。また、「ムーバルデッキ上」と「設置済み吊り足場板上」の両側から吊り足場板を設置・撤去できるため、身を乗り出しての不安定かつ非効率な作業がなくなります。これにより、吊り足場設置・撤去作業の施工性も向上します。


車線規制の排除
ムーバルデッキは、橋梁主桁の下フランジを把持した状態で、レール梁(緑アームで支持) と 作業床(赤アームで支持)を交互に動かして移動します(尺取り虫方式)。作業はすべて橋面下で行えるため、橋梁点検車などで必要となる橋面上の車線規制を排除できます。

主桁の下フランジを把持するアームは開閉するため、橋桁補強部材などの支障物がある場合には、アームを開いてから移動させることで、回避できます。


設置・撤去が容易
ムーバルデッキの構成部材は、全て人力で運搬・組み立て(解体・搬出)が可能な重量・寸法のため、クレーンなどの揚重機が不要です。チェーンブロックなどの簡易な揚重装置と従来の吊り足場の組み立て・解体時と同程度の広さの構台があれば設置・撤去ができます。
ムーバルデッキの作業床には、汎用のパネル式吊り足場を使います。最初に組み立てた吊り足場に移動機構を設置し、ムーバルデッキが完成します。ムーバルデッキを使って吊り足場を設置した後は、ムーバルデッキの作業床を吊り足場の高さまで引き上げ、設置済みの吊り足場に接続することで、吊り足場の一部(端部)としても使用できます。
【ムーバルデッキを使用した吊り足場設置作業】

【実績・適用例】
- 中央自動車道(特定更新等)松ケ平第1橋床版取替工事
- 中央自動車道(特定更新等)茂都計川橋他3橋床版取替工事のうち、大沢川橋 ほか1件
【その他】
ムーバルデッキは株式会社タカミヤとの共同開発です。