ハイドロペイブ ライト®
雨水流出抑制効果と路面温度上昇抑制効果を有する舗装
ハイドロペイブ ライト®とは?
地球温暖化や都市化などにより、豪雨災害や気温上昇が社会課題となっています。これらの被害を軽減する舗装技術として、透水性舗装、遮熱性舗装、保水性舗装などが開発され導入が進んでいます。しかし、これらの舗装では豪雨災害と気温上昇双方の被害を軽減する効果は期待できません。
大林組と大林道路株式会社が共同開発したハイドロペイブ ライトは、透水性舗装(車道)と湿潤舗装(歩道)を組み合わせた舗装で、従来よりも路盤の空隙率を高めて透水性舗装体内により多くの雨水を貯めることにより、豪雨などに対して雨水流出抑制効果を発揮するように改良しました。透水性舗装体に貯めた雨水は、地盤に浸透、表層面から蒸発するとともに、その一部を湿潤舗装体に導水、湿潤舗装体内にて揚水されたのち、路面から気化熱を奪って蒸発します。このため、路面温度の上昇が抑制され、都市環境を改善する効果が高まります。
-
舗装材料および路盤内の雨水流動
-
試験施工状況
お客様のメリット
豪雨時において、雨水の急激な流出の抑制が可能です
ハイドロペイブ ライトを構成する透水性舗装には、ポーラスコンクリートに約20%、路盤に約40%の空隙があるため、多量の雨水を貯めることができます。また、湿潤舗装体にも雨水を貯めることができます。ハイドロペイブ ライトは雨水を一時的に貯留可能なため、豪雨時においてピーク流量を低減することができます。
グリーンインフラ(※1)技術として導入できます
都市化により、アスファルトやコンクリートなどの不浸透面積が増加し、地下水位の低下や平常時の河川流量の減少などの課題が発生しています。ハイドロペイブ ライトは、舗装体内に貯めた雨水の一部が地中に浸透することで自然の水循環の保全に寄与するため、グリーンインフラ技術と言えます。
熱環境を改善できます
一般的な透水性舗装は、雨水を路面から地中に浸透させるだけで積極的に利用できるわけではありません。ハイドロペイブ ライトは、自然の恵みである雨水をまちの熱環境の改善に利用するため、親自然的な舗装と言えます。試験施工地では、夏場の湿潤舗装の路面温度がアスファルト舗装より最大で11.6℃低いことを確認しています。
※1 グリーンインフラ:自然の機能を用いて課題を解決しようとする考え方や取り組みのこと