既存天井落下防止構法「フェイルセーフシーリング」が建築技術性能証明を業界初取得

大規模地震時の特定天井などの既存天井落下防止対策の負担を軽減

プレスリリース

株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:白石達)は、特定天井(※1)などの既存天井落下防止構法「フェイルセーフシーリング」の建築技術性能証明(※2)を、2015年5月27日に一般財団法人日本建築総合試験所(※3)から取得しました。既存天井の落下防止技術の建築技術性能証明取得は業界初です。

既存天井落下防止構法「フェイルセーフシーリング」

フェイルセーフシーリングは、既存天井の「落下防止措置」として、既存天井の下面にフラットバーとネット、もしくはネット状のストリング(細いロープ)を設置して、大規模地震時に損傷して落下しようとする天井材を一時的に保持し、施設利用者の避難時間と避難空間を確保するための構法です。

既存天井を解体せず、施設を使用しない休日などを利用して施工する事が可能なため、建物入居者の一時退避などの負担がなく、また、天井を解体して張り替える構法に比べ、工期とコストを約40%程度に抑えることができます。大林組が2013年8月に開発して以来、より広範な天井面積での加振に対する有効性や、音響環境へ影響を及ぼさないことなどについて検証を重ねており、その安全性や汎用性の高さから、これまでに公共施設、オフィス、工場、劇場など、面積約6,500m²の天井に採用されています。

2014年4月に施行された天井脱落防止関連の国土交通省告示第777号では、2013年に強化された規定(※4)を満たさない既存建築物の特定天井に対しては、「落下防止措置」を講じることでの対応が認められています。しかし、落下防止措置の性能を第三者指定認定機関から証明された技術はなく、措置を講ずるための構法選択に当たって判断材料が乏しい状況でした。

今回、フェイルセーフシーリングが建築技術性能証明を取得したことにより、利用者や行政が特定天井などの既存天井落下防止対策の選択や審査をする際、明確でスムーズな判断の手助けとなります。

大林組は、今回取得した建築技術性能証明を同構法の信頼性の証として、さまざまな施設への「フェイルセーフシーリング」の導入を促進し、安全・安心な社会づくりに貢献していきます。

フラットバー+ネットタイプ

フラットバー+ネットタイプ

ストリングタイプ

ストリングタイプ

  • ※1 特定天井
    脱落によって重大な危害を生ずる恐れがある天井で、人が日常立ち入る場所に設置されている高さ6m超、面積200m²超、質量2kg/m²超の吊り天井。平成25年国交省告示第771号(特定天井及び特定天井の構造耐力上安全な構造方法を定める件)第2項にて規定
  • ※2 建築技術性能証明
    一般財団法人日本建築総合試験所が認定する、建築技術の性能が認証基準を満たしていることの証明。今回の証明の適用範囲は、フラットな天井面であり、天井面構成部材などの質量が「フラットバー + ネットタイプ」は60kg/m²、「ストリングタイプ」は30kg/m²まで
  • ※3 一般財団法人日本建築総合試験所
    建築基準法に基づく指定性能評価機関および指定認定機関として、国土交通省から指定(登録)された第三者機関
  • ※4 平成25年国交省告示第771号第3項にて規定

以上

この件に関するお問い合わせ先
大林組 CSR室広報部広報第一課
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