「クリーンクリート®」が低炭素型のコンクリートとしてJ-クレジットを国内初取得しました

建設時のCO2排出削減量をクレジットとして発注者に還元

プレスリリース

株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:蓮輪賢治)は、低炭素型のコンクリート「クリーンクリート(※1)」を適用したオフィスビルについて、国(経済産業省、環境省、農林水産省)が運用する「J-クレジット制度(※2)」を活用し、コンクリートによるCO2排出削減量として国内で初めてクレジット(排出権)の認証を受けました。

大林組は2010年に、高炉スラグ微粉末などを用いることでCO2の排出量を大幅に削減した、低炭素型のコンクリート「クリーンクリート」を開発し、自社施設や東日本大震災復興事業など、これまで延べ16万m³に適用しました。しかし、低炭素型のコンクリートは、一般的なコンクリートに比べてコストが増加することが普及・展開の障壁となっていました。

普及促進に向け大林組は、グループ会社の大林新星和不動産株式会社(本社:東京都千代田区、社長:齋藤正博)発注のオフィスビル「oak神田鍛冶町(東京都千代田区)」の建設工事において、「クリーンクリート」を使用したことによるCO2排出削減量を対象として、国がクレジットを認証する「J-クレジット制度」を活用しました。

その結果、本工事において一般的なコンクリートを「クリーンクリート」に置き換えたことによるCO2排出削減量555t(約4万本のスギが年間に吸収する量に相当)が、クレジットとして認証されました。低炭素型のコンクリートの建物適用によるCO2排出削減量でクレジットを取得したのは日本初となります。本制度により取得されたクレジットは事業主がカーボン・オフセットなど環境貢献活動に活用できるため、「クリーンクリート」を建物へ適用することによるコスト増を抑制することにもつながります。

今後、「J-クレジット制度」の活用により「クリーンクリート」の建物適用を促進し、低炭素社会の実現に貢献するとともに、他のさまざまなCO2削減技術についても、積極的なクレジットの取得・活用を検討しています。

大林組は自社事業における直接的な環境活動に加えて、「クリーンクリート」によるクレジット取得など、さまざまな環境技術や省エネ技術を積極的にお客様に提案することで、間接的な環境活動も加速させ、持続可能な社会づくりに向けた大林組の中長期環境ビジョン「Obayashi Green Vision 2050(※3)」を実現するとともに、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献してまいります。

                
「oak神田鍛冶町」での「クリーンクリート」使用状況
  • ※1 クリーンクリート
    製鉄工場で発生する副産物である高炉スラグ微粉末などを多量に再利用することで、使用材料に起因するCO2排出量を大幅に削減(最大80%減)したコンクリート
  • ※2 J-クレジット制度
    経済産業省、環境省、農林水産省が運営する、省エネルギー機器の導入や森林経営などの取り組みによるCO2などの温室効果ガスの排出削減量や吸収量をクレジットとして国が認証する制度(J-クレジット制度ウェブサイト
  • ※3 Obayashi Green Vision 2050
    大林組が2011年2月に策定した、持続可能な社会づくりへの貢献という観点で「2050年のあるべき社会像」を「安全・安心」を基盤に「低炭素」「循環」「自然共生」の「3+1社会」として統合的に捉え、その実現に向けて具体的なアクションプランやCO2排出量削減の数値目標を定めたもの

以上

この件に関するお問い合わせ先
大林組 CSR室広報部広報第一課
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