2019年度エンジニアリング功労者賞2部門で受賞しました

山田町震災復興プロジェクト、ウインドリフト工法

サステナビリティ

7月16日、第一ホテル東京(東京都港区)で、2019年度「第39回エンジニアリング功労者賞」の表彰式が行われ、大林組が携わった岩手県山田町での震災復興プロジェクトと、秋田県三種町浜田風力発電所建設における「ウインドリフト工法」の適用プロジェクトが受賞しました。

エンジニアリング功労者賞は、ゼネコン、エンジニアリング、鉄鋼、造船など200を超える企業・団体から毎年推薦を募り決定されるもので、エンジニアリング産業の発展に貢献したグループと個人に贈られます。今年度は12グループ、3人が選出されました。

表彰状を授与される岩手県山田町震災復興プロジェクトチーム
表彰状を授与される岩手県山田町震災復興プロジェクトチーム(大林組)

エンジニアリング振興部門

岩手県山田町震災復興プロジェクトチーム(大林組)

東⽇本⼤震災で被災した⼭⽥町の織笠地区・⼭⽥地区で、防災上必要な土地のかさ上げ、危険区域の住居の高台移転、津波に対する安全な市街地拠点の整備など、被災者の⽣活再建に向けた「震災復興まちづくり」を⾏いました。

このプロジェクトでは、民間事業者のノウハウを活用し調査・測量・設計・施工を一体的に実施する復興CM方式(※1)が採用されました。発注者代行の立場からマネジメント業務を行い、現地条件を配慮した計画を提案。復興事業をスピードアップさせ、効率的な設計施工を実現しました。

通常9年を要する住宅用地の引き渡しを6年に短縮し、エンジニアリング産業への信頼を向上させたこと、プロジェクトの過程で多くの技術的なチャレンジを行い、ICTを新たなビジネス領域にまで拡大・展開させたことが評価されました。

織笠地区・山田地区全景(2019年6月)。大規模造成現場にICT測量を導入し、3次元モデルを活用して住民との合意形成を図るなど、ICTを先駆的、積極的に活用して生産性と品質を向上させた
  • ※1 CM(Construction Management)方式
    米国で多く用いられている建設生産・管理システムの一つ。発注者の補助者・代行者であるコンストラクションマネージャー(CMR)が、技術的な中立性を保ちつつ発注者の側に立って、設計の検討や工程管理、品質管理、コスト管理などの各種マネジメント業務の全部または一部を行うこと
 

中小規模プロジェクト枠部門

三種浜田風力発電所建設プロジェクトにおける「ウインドリフト工法」の適用チーム(大林組、巴技研)

秋田県三種町浜田地域の保安林内に大型風車3基を建設する工事において、超大型クレーンを使わずに組み立てる「ウインドリフト工法」を開発し、初適用しました。

ウインドリフト工法は、大型風車をリフトアップにより組み立てるものです。風車の塔体に沿って上下する昇降ステージ上でハブ(風車中心部)とブレード(羽根3枚)部分を接合し、上昇させながら建て起こすので、部材を安定して引き上げられ、工程遅延のリスクも軽減します。

従来工法の課題を解消したことで、大型風車建設の加速化に貢献すること、今後の拡大が見込まれる洋上風力発電所建設にも応用可能であることが高く評価されました。

1200t級超大型クレーンが不要となり、施工ヤード面積を削減。風車部材は10tトラックで運搬可能となるため、山間部、離島、狭あいな現場などさまざまな施工条件に対応できる

大林組は、これからも技術と知恵を結集したエンジニアリングによって、社会的課題の解決に貢献していきます。