宇宙ビジネスアイデアコンテストS-Booster2019で大林組職員の地下水技術がSpace-DIVE賞を受賞

サステナビリティ

表彰状を授与される大林組職員(中央右)。竹本直一内閣特命担当大臣(宇宙政策)が総評し、宇宙飛行士の山崎直子さんらが特別審査員として参加
       

11月25日、内閣府などが企画し、大林組や他の民間企業が協賛・協力する宇宙ビジネスアイデアコンテスト「S-Booster2019」の最終選抜会が、東京・日本橋で開催され、大林組職員がSpace-DIVE賞を受賞しました。

また、協賛企業各社から贈られるスポンサー賞のうち、大林組が選出する大林組賞は、株式会社岩谷技研のチームが受賞。このチームは審査員特別賞も併せて受賞しました。

「S-Booster2019」は、宇宙に関する資産(通信、地球観測、有人宇宙活動、宇宙輸送などの技術やそこで取得したデータ、運用ノウハウなど)を利用したビジネスアイデアを発掘するコンテストです。3年目となる今年は、募集地域をアジア・オセアニアに拡大し、国内外からおよそ300件の応募がありました。

最終選抜会では、一次・二次審査を勝ち抜いた12組が与えられた持ち時間の中で最後のプレゼンテーションを行い、厳正な審査を経て、最優秀賞1件、審査員特別賞2件、スポンサー賞6件、JAXA賞1件が選出されました。

Space-DIVE賞(スポンサー賞:デンソー)

「求める地下水はココだ!」
代表者名:長野龍平(大林組 技術本部未来技術創造部)

人口の急増や温暖化などにより、地下水へのニーズは爆発的に高まっています。多くの国や地域では、実際の地下水量の把握ができていないため、適切な使用量が分からないまま地下水を使用しており、これが水不足の原因の一つになっています。

そこで、地下水の滞留時間(降雨から流出までの時間)と地形データを用いて簡易に地下水量を予測できる方法を提案します。さらに、地上で使用している水量を衛星データから推測することで将来的な地下水量の変動も予測できます。

水は生活、産業、そして命の基盤です。衛星を活用し広域の地下水量を低コスト・スピーディーに予測することで、人々が安心して持続的に暮らせる社会の実現に貢献します。

地下水の滞留時間と衛星データなどを用いて広域の地下水量変動を予測。水源探査に必要な費用や期間を大幅に削減します

大林組賞

「ふうせん宇宙旅行プロジェクト」(審査員特別賞も受賞)
代表者名:岩谷圭介(チーム名:株式会社岩谷技研)

2021年に気球を使用し安全・着実に誰もが行ける宇宙旅行の実現をめざします。テンクウ25000という宇宙用に開発した気球で高度2万5,000mまで上昇し、2時間の宇宙遊泳を楽しみ帰還する計4時間の宇宙旅行です。ゆっくりと上昇下降するため、体への負担は小さく誰でも乗ることができます。2018年春には、魚の宇宙遊泳実験に成功しています。

この気球は、宇宙旅行だけではなく、宇宙実験や地球観測分野にも適用でき、宇宙産業インフラにも大きく貢献します。誰もが気軽に宇宙を旅できるよう開発を進めていきます。

現在までに100回の気球を打ち上げ、100%の回収実績を持つチームの提案は訓練不要、搭乗料金一人100万円で宇宙を安全に旅するもの

S-Boosterは宇宙ビジネスを実現するためのきっかけを提供するもので、2018年度の最優秀賞・大林組賞を受賞したチームは千葉工業大学と共同で行った洋上でのロケット発射実験に成功しています。日本の宇宙開発や産業、技術の飛躍的な発展に結び付くことを期待し、大林組はこれからも応援していきます。