千葉工業大学、ASTROCEAN、大林組がロケット4機の洋上発射実験を実施!

プレスリリース

学校法人千葉工業大学
ASTROCEAN株式会社
株式会社大林組

【ポイント】

  • 2019年3月に続き(千葉工業大学ウェブサイト)、世界で2例目となる大学ロケットによる洋上発射実験を、千葉工業大学、ASTROCEAN、大林組の3社が共同で実施します。
  • 千葉工業大学が主催するロケットガール&ボーイ養成講座(※1)に参加する高校生が製作した3機と、千葉工業大学学生が正課科目の実験・実習で製作した1機の小型ハイブリッドロケットを打ち上げます。
  • ロケットの発射場となる浮体には、新たな投錨(とうびょう)技術を導入し、効率的な浮体の運用をめざします。

【概要】

千葉工業大学、ASTROCEAN、大林組は、高度200mに向けた小型ハイブリットロケット(全長1,500mm)の洋上発射実験を実施します。洋上発射は、安全のため生活圏からの離隔といったロケット発射場が抱えるさまざまな制約を取り除くことができ、かつ島国である日本がその利点を活かすことで、近年の急激な宇宙開発の成長によるロケット発射場不足の解決に貢献できる取り組みです。

ロケットは、千葉工業大学工学部機械電子創成工学科の3年生が正課科目実験・実習の一環として設計製作した1機と、ロケットガール&ボーイ養成講座に参加する高校生らが設計製作した3機を高度約200mへ打ち上げます。打ち上げは、千葉県夷隅郡御宿町の網代湾に浮かべる発射場から行い、2019年3月2日に成功した国内初の洋上発射実験に続く2回目の実施となります。

今回の実証実験は、大学生や高校生らが、 火薬類を用いないため高い安全性を有しているハイブリッドロケットをオリジナルで設計し、製作から打ち上げまでを通してものづくりのノウハウやプロジェクトのマネジメントを学習しつつ、専門知識の獲得を狙うという高次のアクティブラーニングとして実施いたします。

打ち上げロケットの外観

また、前回の知見を踏まえ、ロケット発射用浮体のサイズを一回り小さくし、洋上への運搬性能や設置作業の効率を向上させたことに加え、大林組の独自技術である「スカートサクション®」を用いることで洋上係留にも挑戦します。夜間も係留することで、浮体の毎日の運搬設置作業を省略し、打ち上げに適した天候を測ることに費やす時間を増やします。

洋上フロートの係留とスカートサクション

今回の洋上発射実験から得られる成果は、2020年度に予定している、高度30kmの成層圏への到達をめざした千葉工業大学製小型観測ロケットの洋上発射実験に応用していきます。

【実施方法】

御宿網代湾沖の洋上に浮体を配置し、その上から小型ロケットの発射実験を実施します。

共同研究により開発した洋上浮体の外観

【小型ロケット洋上発射実験計画】

実験日時 2019年10月12日(土)から14日(月)のうち、日の出から17時までの間で天候が良い時間で計4回(予定)
※10月15日(火)を予備日とする
実験場所 千葉県夷隅郡御宿町 網代湾沖 400m地点
※ビーチからも目視可
※なお、開催期間中は御宿ビーチサイドで宇宙に関する技術展示を開催
            
打ち上げ実験関連場所位置図

【ロケットの仕様】

名称 小型教育用ロケット

型番 ER
全長 1,500mm
直径 150mm
質量 8kg
モータ 400N級ハイブリッドロケットモータ
到達高度 200m
回収方法 軌道頂点付近でパラシュートおよびフロートの放出後着水。着水と同時にフロートが膨張。回収を行う。
搭載物 ・ハイブリッドロケットエンジン
・パラシュートおよびガス展開フロート
・小型海洋ロボット

【各社の取り組み】

本実験は、学部3年生の正課科目の実験・実習の一環で小型ハイブリッドロケットを自らが考え設計製作し打ち上げ実験まで実施する実践型宇宙教育を高次のアクティブラーニングとして実施するものであり、学生自らが気付き、実践し、成果を残す過程までをプロジェクトを通して経験することでマネジメント力、協働力、実行力などを身に付けることが可能です。また、洋上からの打ち上げ実験を通して将来の高度100kmからの宇宙ちり回収を目標とした観測ロケットの開発技術の習得につなげ、宇宙の起源の解明につながる技術の習得を行っています。

ASTROCEANはロケットの洋上打ち上げサービスを提供するスタートアップ企業です。2018年11月に設立、同月内閣府・JAXA等主催のビジネスコンテストS-booster2018で最優秀賞・大林組賞を受賞、2019年3月2日に千葉工業大学と共同で国内初のロケット洋上打ち上げに成功しました。現在は組み立て式の洋上打ち上げ場「Astrocean Nano」を用いて、日本全国の学生・研究者・愛好家がどこでも気軽にロケットを打ち上げられるサービスを提供しています。

大林組は2019年4月に未来技術創造部を新設し、保有技術やノウハウを活かした「ゼネコン」の枠にとらわれない未来技術の開発や事業への展開を促進しています。本実験では、独自技術である「スカートサクション」のロケット発射用浮体の係留への活用や、ロケット発射時の発射台の振動を計測します。今回の実験を通じて、射場の建設や運営、その先にある宇宙開発など、新たな事業領域の発展に貢献していきます。

  • ※1 ロケットガール&ボーイ養成講座
    さまざまな高校から集まった仲間たちとチームを組み「ハイブリッドロケット」の打ち上げ成功をめざす講座です。チームワークを高めながら、「ハイブリッドロケット」の設計・製作から高度で複雑なプロジェクトの管理・ものづくりの楽しさを体験し、その打ち上げに至るまで、すべてを自分たちの手で実践していきます
    ロケットガール&ボーイ養成講座特設サイト

以上

研究・開発についてのお問い合わせ先
千葉工業大学 惑星探査研究センター 非常勤上席研究員、
工学部機械電子創成工学科 准教授 和田 豊(ワダ ユタカ)
〒275-0016 千葉県習志野市津田沼2-17-1
TEL 047-478-0320(代表)
E-Mail:yutaka.wada@p.chibakoudai.jp

広報関連のお問い合わせ先
千葉工業大学 入試広報課 大橋 慶子(オオハシ ケイコ)
〒275-0016 千葉県習志野市津田沼2-17-1
TEL 047-478-0222
FAX 047-478-3344
E-Mail:ohhashi.keiko@it-chiba.ac.jp

ASTROCEAN CEO 森 琢磨(モリ タクマ)
E-Mail:takuma.mori@astrocean.jp

大林組 コーポレート・コミュニケーション室 広報第一課
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