第60回(2019年)BCS賞を受賞しました

赤坂インターシティAIR

サステナビリティ

2019年11月15日、第60回BCS賞(一般社団法人日本建設業連合会主催)の表彰式が開催され、大林組が施工した赤坂インターシティAIR(東京都港区)が選ばれました。1960年に創設されたBCS賞は、事業計画、デザイン、施工技術、維持管理といった幅広い視点から建築を総合的に評価する賞で、建築主、設計者、施工者の三者を表彰するものです。今年は、全国79件の応募の中から、15作品が選定されました。

赤坂インターシティAIR(赤坂一丁目地区第一種市街地再開発事業)

(建築主:赤坂一丁目地区市街地再開発組合、日鉄興和不動産、設計者:日本設計)

高さ約200mの超高層ビルを敷地中央ではなく、植栽を最大限活かすように配置

赤坂インターシティAIRはオフィス、住宅、店舗などからなる地下3階、地上38階建ての超高層複合ビルで、2017年、東京・赤坂に完成しました。建物を首都高速道路側に寄せて配置し5,000m²を超える緑地を確保することで、潤いの空間を創出し、都心にありながら清涼感と静けさを生み出しています。

建物高層部は街並みとの調和を考えてオフホワイトを基調にし、建物の角を面取りすることで柔らかな輪郭をつくり出しています。日差しの制御、自然換気を促す外壁は向きによって形を変え、圧迫感のない温かみのある表情を都市に与えています。

江戸中期までため池の畔(ほとり)として人々の集う場所であったこのエリアは、近隣の民間事業者と共に再整備が行われており、豊かな森は「赤坂・虎ノ門緑道構想(※1)」の緑のネットワークの起点となる重要な役割を担っています。

建物の構造には、床・天井を斜めにつなぐブレースを3層分飛ばして配置する世界初の技術をはじめ、3種類の制振装置を導入しています。安全性能と品質の確保に向けて現場で実証実験を行うなど精度の高い施工で実現しました。

今回の受賞では、地域の特性を活かしながら、街と歴史に考慮した計画や建築が、今後の再開発事業にとって大きな示唆を与えるものであると高く評価されました。

 
人々を迎え入れる3層吹き抜けのピロティ空間には高強度コンクリートを充てんした鋼管構造(CFT)柱を採用
           
溢れんばかりの緑は、お互いに場所を譲り、分け合うように枝を伸ばす自然樹林の成長に倣って植栽計画、維持管理することで実現しました

大林組は今後も、建築主、設計者、施工者一体となった心地よい空間づくり、地域社会に愛され続ける作品の建設に努めるとともに、建築文化の創造、継承、そして建設技術の発展に貢献してまいります。

  • ※1 赤坂・虎ノ門緑道構想
    虎ノ門方面へと続く約850mにわたる緑道を整備し魅力的な街並みを形成すること