バブルサイレンサー®が日本建築学会賞を受賞

気泡を用いた解体騒音低減装置の開発

サステナビリティ

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コンクリート構造物を解体するジャイアントブレーカーの先端に取り付けた気泡発生装置の泡でノミを包み込みながら解体

大林組が開発した、解体時の騒音を泡で覆って低減する「バブルサイレンサー」が、2020年日本建築学会賞(技術部門)を受賞しました。日本建築学会賞は、建築に関する学術・技術・芸術の進歩に寄与する優れた業績を表彰するものです。

バブルサイレンサーは、解体作業時のコンクリート破砕に用いる重機、ジャイアントブレーカーの先端ノミ部分を気泡で覆うことにより、解体に伴って発生する騒音を低減するとともに、粉じんの飛散を抑制します。装置は後付けできるため、低騒音タイプのジャイアントブレーカーに装着することでさらなる相乗効果が図れます。

今回の受賞では、解体に伴う音エネルギーの約7割を低減させることに加え、周辺環境を損ねる粉じん飛散を約9割削減できる点、ガラ(解体後のコンクリート廃材)に付着した気泡は生分解するうえ、産業廃棄物にならずがれき類として従来通り処分できる点などが評価されました。気泡を用いた点が独創的で社会に貢献する技術であるとして選定されました。

バブルサイレンサーの概要

バブルサイレンサーは、防音パネルや低音量のワイヤーソーなどが使えない解体工事において、⾳量の⼤きいブレーカーの騒⾳を低減する装置として開発しました。騒音の発生箇所となるノミを一定の厚さの泡で覆い続けることで、気泡が騒音カバーの役割を果たします。

また、気泡はコンクリートの割れ目に流れ込み、さらに突き崩したガラを包み込むことで粉じんの飛び散りを防ぎ、粉じん用ネットや散水も不要となります。

今後は、コンクリート構造物の解体作業だけでなく岩盤の掘削などにも適用していく予定です。

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大林組はこれからも、周辺環境や人々の健康などに配慮して建設事業を進めていくとともに、社会のニーズに応えられる建設技術の開発に努めてまいります。