香川県庁舎東館が日本免震構造協会賞を受賞

サステナビリティ

2021年6月30日、第22回日本免震構造協会賞の表彰式が開催され、大林組が耐震改修を行った香川県庁舎東館(高層棟・低層棟)が業績賞に選ばれました。

日本免震構造協会賞は、免震や制震技術の発展と、安全で良質な建築物の整備に貢献していくことを目的に創設されたものです。業績賞は、免震構造の特質を反映した建築物などの優れた設計、改修、保全、維持、復元、困難なプロジェクトの実現などにおいて際立った業績をあげた個人や団体に贈られます。

香川県庁舎東館(左:高層棟、右:低層棟)。高層棟を特徴付けるバルコニーの手すりはガラス繊維補強セメントで復元し耐久性と軽量化を図った

1958年に完成した香川県庁舎東館は建築家・丹下健三氏の初期の代表作であり、戦後モダニズム建築を象徴する建物です。高層棟と低層棟で構成されており、県民に開かれたオープンスペース、コンクリート構造物でありながらも伝統的木造建築物を想起させる意匠など高い文化的価値を有しており、国内外から高い評価を得ています。

改修工事では、防災拠点となる施設として十分な耐震安全性を確保し、文化的価値の保存や工事中の庁舎利用を可能にするために、免震レトロフィット工法を採用。高層棟と低層棟を1階の床面で一体化し、建物基礎下に免震装置を設けることで建物を揺れから守っています。

老朽化のため取り外されていた木製ルーバーを復元。建設当時を再現

今回の受賞では、文化的・建築的価値に配慮し、内外観を極力変えずに免震レトロフィットによって耐震性を確保するとともに、老朽化した部位や工事中に一時撤去した部位を復元し、見事に延命させていることが高く評価されました。

大林組はこれからも、安全・安心な暮らしを支える耐震、制震技術の開発を進めてまいります。