山岳トンネル工事におけるロックボルト遠隔打設専用機「ロボルタス™」を開発
容易な遠隔操作により安全性向上と省人化を実現します
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プレスリリース
株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:蓮輪賢治)は、ロックボルト打設作業を遠隔操作で行うことができるロックボルト遠隔打設専用機「ロボルタス」を開発しました。
山岳トンネル工事では掘削後、トンネルを構造的に保持するために支保しますが、その中で重要な役割を担う作業の一つがロックボルト打設作業です。この作業は、作業員が切羽付近での騒音や粉じんなどにさらされながら、重量物であるロックボルトを取り扱う過酷な作業であるうえに、作業員の技量で施工スピードや品質が左右されます。
このたび、大林組は山岳トンネル工事におけるロックボルト打設作業に必要な、削孔からモルタル注入、ロックボルト挿入までの一連作業を遠隔操作で行うことができるロックボルト遠隔打設専用機「ロボルタス」を開発し、安全性向上と省人化を実現しました。
「ロボルタス」の特長は以下のとおりです。
遠隔作業化による安全性向上と機械化による高品質の確保
切羽に作業員が1人も立ち入ることなく、遠隔操作で削孔からモルタル注入・ロックボルト挿入まで一連の作業ができます。ロックボルトの長さやボルトの種類など、各種条件を設定できるため、緊急性の高い設計変更にも対応できます。また、タブレットに作業状況が表示されるため、作業員の技量に左右されずに施工が可能となり、高品質が確保できます。
作業人員の省人化
1本のブームでロックボルト打設作業に必要な削孔、モルタル注入、ロックボルト挿入が可能な上、20本のロックボルトを収納できるため、トンネル掘削作業の工程を短縮できます。また、「ロボルタス」を使用することで、当該作業にかかる作業員を5人から3人へ削減することができ、40%の省人化を実現します。
高機能な削岩機構を搭載
ロボルタスに搭載されている削岩機は地山性状に応じて制御可能なハンマードリル機構を備えており、比較的軟質な日本の地質に向いています。また、ノンコア削孔切羽前方探査システム(※1)の導入により、即時に切羽の安定性を評価できます。
大林組では、山岳トンネルの施工における生産性を飛躍的に向上させる「OTISM®(Obayashi Tunnel Integrated System)」(※2)の構築に取り組んでおり、今回開発した「ロボルタス」は、その中のトンネル掘削の安全性向上・省人化に関する一連のシステム「OTISM/Tunneling®(オーティズム/トンネリング)」(※3)の構成技術です。
大林組は、「ロボルタス」の実証実験を積み重ね、その他のトンネル工事施工技術との連携により、トンネル工事全体の生産性向上・省人化を実現することで、社会インフラの安全かつ迅速な整備に貢献します。
- ※1 ノンコア削孔切羽前方探査システム
岩石サンプルを採取せず、削孔時のエネルギーを解析して切羽の安定性を評価するシステム - ※2 OTISM(Obayashi Tunnel Integrated System)
山岳トンネル施工における掘削作業の安全・生産性向上、および覆工作業の品質向上・省人化、施工管理の意思決定の迅速化を図り、全体の生産性を向上させる一連のシステム - ※3 OTISM/TUNNELING
OTISMのうち、トンネル掘削に関する一連のシステムを「OTISM/TUNNELING」として、5つの作業分野「穿孔・装薬」「ずり出し」「吹付けコンクリート」「支保工建込み」「ロックボルト打設」での安全性向上、省人化を実現する
トンネル掘削統合システム「OTISM/Tunneling®」(動画)
以上
この件に関するお問い合わせ先
大林組 コーポレート・コミュニケーション室広報課
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