アジアの商業施設とダムプロジェクトが第1回OCAJIプロジェクト賞を受賞

アイコンサイアム(タイ)、ナムニアップ1水力発電所(ラオス)

サステナビリティ

一般社団法人海外建設協会(海建協:The Overseas Construction Association of Japan, Inc.(OCAJI))が創設したOCAJIプロジェクト賞において、大林グループが施工した「アイコンサイアムプロジェクト」(タイ)と、「ナムニアップ1水力発電所建設プロジェクト」(ラオス)が「第1回OCAJIプロジェクト賞」を受賞しました。初回となった今回は、25件の応募から11件のプロジェクトが選出されました。

1955(昭和30)年に設立された海建協は、建設業界における海外事業展開の支援や国際貢献の推進、諸外国との国際交流・協調を促進しています。OCAJIプロジェクト賞は海建協が新設した表彰制度で、海外における日本の建設業のプレゼンスを高め、継続的かつ安定的な海外活動の促進に寄与するために、優秀な海外建設プロジェクトを顕彰するものです。

第1回は、2019年1月1日から2021年12月31日に完成した「土木」「建築」「土木・建築等複合」「開発」の事業を対象とし、選考が行われました。選考は、ものづくりの基本である「品質」「工期」「安全衛生および保安」「環境」の4項目と、発注者が求めるさまざまなニーズへの取り組みなどが審査されました。

【建築プロジェクト】
アイコンサイアムプロジェクト(タイ・バンコク)

チャオプラヤ川に面したファサード。夜間にはライトアップされ、光と噴水による演出を楽しめる

アイコンサイアムは、バンコク中心部を流れるチャオプラヤ川西岸の再開発地区にある、タイ最大の複合大型商業施設です。

地下2階、地上8階、延べ面積36.6万m²の施設には、インドア水上マーケットやブランドショップ街、レストラン街、シネコンなどが並び、大規模ホールも併設されています。

発注者は王室系商業デベロッパーとタイの財閥の合弁会社であり、長年にわたるタイ国内での実績と技術力が高く評価され、タイ大林が施工を担当しました。

現場運営はすべてタイ人のスタッフが担い、日本の大林組で長期研修を経験した10名が中心となり、OJT形式で職場内訓練を実施。若年層のスタッフは、タイ大林トレーニングセンターの研修でも施工管理の知識・技術の向上を図りました。

最盛期には5,000人を超える作業員が携わった超大型プロジェクトは、2015年1月の着工以来、無事故・無災害を達成し、2019年5月に全エリアを完成させました。

レストラン街には高さ15mから滝が落ちる。エリアごとにデザインテーマが決められ、来訪者を飽きさせない

【土木プロジェクト】
ナムニアップ1水力発電所建設プロジェクト(ラオス・ボリカムサイ)

主ダム(堤高167m、堤頂長535m、堤体積236万m³)。関西電力、タイ電力公社、ラオス国営投資会社が出資するBOT方式によるプロジェクト

ナムニアップ1水力発電所プロジェクトでは、2つのダムと発電所(主ダム・主発電所:27.2万kW、逆調整ダム・逆調整発電所:1.8万kW)を建設しました。ラオスの首都ビエンチャンより北東に約130km、メコン川の支流であるナムニアップ川中流域に位置します。

大林組は、ダムと発電所の建設工事に加え、道路工事、転流用トンネル工事、管理棟建築工事など、土木建築工事全般を担当しました。

地質が想定とは異なり工事期間が増加する一方で、雨期の影響から工程の促進が求められました。そうした中、計画より前倒しで工事を完了し、ダムへの湛水(たんすい)も予定通り開始することができました。

内陸国のラオスには外洋に面した港がなく、物流面の困難から工業の発展が妨げられています。隣国タイへの売電は重要な外貨獲得源であり、2019年9月に商用運転を開始したナムニアップ1水力発電所は、27年間の営業運転後、ラオス国に資産が無償譲渡される予定です。

逆調整ダム(堤高20.6m、堤頂長90m、堤体積2万m³)
RCC(Roller Compacted Concrete)製造プラント

これからも大林組は、さまざまな建造物や社会インフラの建設を通じて、世界各国・地域の社会と人々の生活の向上に貢献してまいります。