大阪・阪神なんば線の建設現場でニューマチックケーソン工法における自動掘削システムを実証しました

技術・ソリューション

大林組と株式会社大本組は共同で、ニューマチックケーソン工法(※1)における自動掘削システムを開発し、大阪市の阪神なんば線淀川橋梁改築工事(第3工区)(発注者:阪神電気鉄道)で実用性を実証しました。

自動掘削システムの監視画面に表示される掘削状況
従来の遠隔操作室における掘削作業状況

従来、ニューマチックケーソン工法における掘削はオペレーターによる遠隔作業により行われており、その作業効率はオペレーターの熟練度に大きく左右されています。大林組と大本組は、かねてから地下構造物(ケーソン)の掘削地盤の掘り残し形状を3次元的にリアルタイムでモニター表示する「ケーソン統合計測管理システム」を開発しており、このシステムをベースに熟練の操作技術を必要としない自動掘削システムを開発しました。

自動掘削システムは、地盤の掘削・運搬から排土または仮置きまでの一連の動作を、指定した地盤の範囲および深さの掘削が完了するまで自動で繰り返すことで、オペレーターによる操作が不要となります。

なお、本自動掘削の制御システムは日本工業大学基幹工学部機械工学科の石川貴一朗准教授に委託し、開発を行っています。

大林組は、今後も本システムの開発を進め、ニューマチックケーソン工法の省人化を図ることで、社会インフラの整備に貢献してまいります。

  • ※1 ニューマチックケーソン工法
    橋梁の基礎や地下構造物の設置に広く使われる工法。筒状構造物の最下部に密閉された作業室(ケーソン)を現場で構築し、ケーソン内に地下水が入り込まないように圧縮空気を送り込みながら掘削を進め、所定の深さにケーソンを設置する工法