ケーソン沈設技術
ニューマチックケーソン工法における自動掘削システム
函内作業の省人化を実現
ニューマチックケーソン工法における自動掘削システムとは?
ニューマチックケーソン工法は橋梁の基礎や地下構造物の設置に広く使われる工法であり、筒状構造物の最下部に密閉された作業室を現場で構築し、地下水が入り込まないよう作業室に圧縮空気を送り込みながら掘削を進め、所定の深さに設置する工法です。大林組と大本組は、ケーソン内の掘削地盤の掘り残し形状を3次元的にリアルタイムでモニター表示する「ケーソン統合計測管理システム(※1)」を開発しており、このシステムをベースに自動掘削システムを開発しました。自動掘削システムは、地盤の掘削から運搬・排土までの一連の動作を、指定した地盤の範囲および深さの掘削が完了するまで自動で繰り返すことで、オペレーターによる操作が不要となります。

お客様のメリット
効率的かつ精度の高い動作の実現
- 掘削機械の自動化において、位置姿勢制御は必須の技術です。本システムでは掘削機械の動作速度や制御の状態から、位置姿勢を予測するPID制御を用いることで、スムーズで効率的かつ精度の高い動作を実現しています。
熟練オペレーターの操作を精度高く再現
- 本システムでは掘削機械の6つの動作軸を同時に駆使し制御することで、熟練オペレーターの操作を精度高く再現することを実現しました。これにより、従来と同等の土量を掘削し、作業効率を維持できます。
掘削から運搬・排土または仮置きまでを完全自動化
- PID制御および6つの動作軸での制御を用いることで、掘削から運搬・排土または仮置きまでを完全自動化しています。
- なお、排土においては、掘削した土砂をこぼさずに地上に排出するための排土バケットに直接投入することが可能です。


- ※1 ケーソン統合計測管理システム
作業室の天井および天井走行式掘削機に取り付けた「LiDAR」(光で距離を測定する技術)で掘削地盤の形状を点群データとして取得し、その形状を3次元的にリアルタイムで表示する
【実績・適用例】
阪神なんば線淀川橋梁改築工事(第3工区)(試験施工)