ベルトコンベアのベルト切断不要で延伸できるノンカットドライブ™を開発

工期短縮・生産性向上を実現します

技術・ソリューション

大林組は、日建リース工業株式会社と日本コンベヤ株式会社との3社共同で、トンネル工事などで使われるベルトコンベアの延伸において、ベルト切断が不要となるノンカットドライブを開発しました。

ノンカットドライブの全景

トンネル工事では土砂の搬出にベルトコンベヤが使われており、トンネルの進行に合わせてベルトコンベヤを延伸する必要があります。しかし、土砂搬送距離が長くなるとベルト張力が不足し、正常に稼働できなくなるため、ベルト張力を補うブースタードライブを追加で設置し、搬送能力を確保することが一般的です。従来、ブースタードライブの設置作業はベルトを切断し端部を駆動部に通した後、切断したベルト同士を接合するため、土砂搬送作業の中断期間が長期化する課題がありました。

そこで、一対のタンデムプーリー(※1)を片持ち構造の状態でベルトを挟むようにスライドさせて設置し、プーリー支持台座ごと回転させてベルトを巻き付けることでベルト切断を必要としない構造のノンカットドライブを開発しました。

【ノンカットドライブの設置ステップ】

ノンカットドライブの特長は以下のとおりです。

設置日数を約6割短縮

ベルトを切断し巻きつける作業が必要な従来型ブースタードライブと比較して、設置に係る日数を11日間から4日間に短縮でき、1基当たり7日間(63%)の工期短縮が見込めます。また、従来必要だったベルトを接合する作業には特殊技能が必要で、その技能を持つ人員の手配も不要になるなど、生産性向上にも寄与します。

設置費用を約3割削減

従来型のブースタードライブをノンカットドライブに改造する場合に生じる追加改造費に対し、圧縮できる労務費や設備費用の方が大きくなり、トンネル径にもよりますが、従来型のブースタードライブ比で1基当たり約30%(当社試算)のコスト縮減効果も見込めます。

今回開発したノンカットドライブは大口径トンネル向けです。今後は中小口径トンネルに適用するものを開発していきます。大林組は、工期短縮・生産性向上・コスト削減できる技術の提供を通して、建設労働者の人手不足や働き方改革の実現に貢献してまいります。

  • ※1 タンデムプーリー
    ブースタードライブの内、ベルトに駆動動力を伝達する2本の駆動ローラー