低炭素型コンクリート「クリーンクリート®」が環境製品宣言ラベルSuMPO EPDを取得
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技術・ソリューション
大林組は「クリーンクリート」において、一般社団法人サステナブル経営推進機構「SuMPO(さんぽ)」の製品環境認証制度である「SuMPO EPD(※1)」(旧エコリーフ)を取得しました。SuMPO EPDは、原材料調達から製造、物流、使用、廃棄・リサイクルまでのライフサイクル全体の環境影響を算出し、CO2排出量をはじめとする製品の環境負荷を定量的に開示するものです。
クリーンクリートは、セメントの大部分を高炉スラグ微粉末などの産業副産物と大量に置き換えることで、CO2排出量を大幅に削減できるコンクリートです。製造時に特殊な設備は不要で、現場打設とプレキャスト製品(工場製作)の両方に適用できるなど高い汎用性を有しています。2010年の開発以降、100件以上の建設現場で適用され、2024年3月時点での累計打設量は約42万m³に達しています。
大林組は、SuMPO EPDの取得により「クリーンクリート」のCO2排出量が少ないことを第三者機関の正確性の高い算定によって確認するだけでなく、一般的な普通ポルトランドセメントのみを使用したコンクリート(申請条件:クリーンクリートと同じ生産工場、圧縮強度を同レベル(呼び強度27以上、40以下))も同時に取得することで、削減貢献量についても確認しました。
今回の確認結果では、一般的なコンクリートに比べ、クリーンクリートのCO2排出削減率は63%となりました。クリーンクリートの累計打設量から換算するとCO2削減量は累計約10万tとなり、これは約8万5,000人が1年間に家庭から排出する量に相当します。
大林組は、脱炭素社会に向けた資材のEPD取得を先導的に促進するとともに、低炭素型資材「クリーンクリート」やカーボンネガティブを実現できる「クリーンクリートN®(※2)」など、さまざまな環境技術を積極的にお客様に提案することで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
- ※1 EPD(Environmental Product Declaration)
EPDは、世界各国でISO14025に準拠するEPDプログラム運営者によって管理されており、日本ではSuMPO(一般社団法人サステナブル経営推進機構)がSuMPO EPDを運営しています。
EPDでは、各製品の環境情報がISO14040および14044によるLCA(Life cycle assessment)手法を用いて定量化され、ISO14025に基づく第三者検証に合格した製品環境情報のみ、EPDプログラムのウェブサイト上に有効な情報として開示されます。SuMPO EPDのウェブサイトには、日本のEPDプログラムであるSuMPO EPDの規程に準拠し検証に合格した情報が掲載されています。
なお、2024年4月に「エコリーフ」を「SuMPO EPD」へと名称変更しています - ※2 クリーンクリートN
クリーンクリートに、CO2を吸収し固定化した炭酸カルシウムを主成分とする粉体を混ぜ合わせることで、その比率によってCO2排出量を差し引きゼロからさらにマイナスにできるコンクリート。プレキャスト製品だけでなくコンクリートプラントで製造、現場打設が可能で、工事適用もされています