第10回女性技術者育成功労賞を個人表彰と組織表彰でそれぞれ受賞

サステナビリティ

8月8日、一般社団法人技術同友会が主催する第10回女性技術者育成功労賞(内閣府男女共同参画局、経済産業省、厚生労働省、国土交通省、文部科学省 後援)の表彰式が開催され、大林組の社員が個人表彰と組織表彰でそれぞれ1件ずつ受賞しました。第10回となった今回は、多数の応募の中から個人表彰11件、組織表彰9件が表彰されました。

2014年に設立された同賞は、女性技術者の活躍を推進することが日本の重要な課題であるとの考えのもと、女性技術者育成において顕著な成果を上げた個人(男女を問わず)および組織の功績をたたえる目的で表彰するものです。

個人表彰

除染という未知の分野を切り開き、リーダーシップを発揮した活躍が評価

個人表彰で受賞した大林組土木本部営業企画部長 八塩晶子は、大林組の土木部門、および技術開発部門において初となる部長に就任した社員です。2011年の東日本大震災の発生直後、日本ではまだ前例のなかった広域的な放射能除染に取り組むため、各国の情報収集を開始しました。2011年の夏には渡米し、有望な除染技術を有する米国企業と協力協定を成立させました。

2011年秋から2012年春まで在籍した、福島県における除染の実証事業を担当する工事事務所では、放射能の高い特殊環境下で働くことへの不安を抱える社員に対し、安心して働けるよう相談に乗る機会を頻繁に設け、単身赴任者をはじめ誰もが遠慮なく休日を取って帰省しやすい環境を構築。男女にかかわらず現場での活躍を後押しし、働きやすい環境づくりに努めました。

自身も子を持つ母でありながらワークライフバランスを実現し、震災以降、年に3回程度、原子力学会の専門家として福島県でのボランティア活動も行っています

また、復興に向けて土木が担う役割を学生へ伝えて話し合う現場見学の機会の提供や、原子力発電所や放射能に関する正しい情報や知識を身に付けるためのe-ラーニング教材作成を主導するなど、社内のみならず未来を担う学生の育成にも力を入れています。

除染という未知の分野で前例のない課題に向き合い、技術の開発から現地での施工に至るまでリーダーシップを発揮して実績を挙げてきた点が評価され、今回の受賞に至りました。

組織表彰

建設業に従事する女性の職域拡大と若手女性技術者育成への貢献が評価

組織表彰で受賞した日本建築仕上学会 女性ネットワークの会には、大林組技術研究所生産技術研究部課長 奥田章子が立ち上げメンバーとして参画しています。

この会は、建築仕上げにともなう設計・材料・構法・施工などの技術的発展に貢献する日本建築仕上学会の企画事業委員会の下部組織として発足しました。女性が働きやすい建築業界をめざし、企業間の垣根を越えた活動を10年以上にわたり続けています。

建設業で働く女性を対象に実施したアンケート結果を広く発信して女性の職域拡大と若手女性技術者育成に貢献した点や、講演・現場見学会などを通じて次世代の技術者の育成に尽力した功績が評価され、今回の受賞に至りました。

表彰状を授与される大林組技術研究所生産技術研究部課長 奥田(左から2番目)

大林組では、2021年4月に「女性活躍推進法に基づく行動計画」を策定し、2024年度までに女性役職者および技術系女性社員の比率を12%とすることを目標に掲げています。

2019年から2023年の5年間において、技術系女性社員は9.5%から11.1%に増加しており、今後も、仕事と家庭を両立しながら安心して働くことができる職場環境の整備と、女性が活躍する機会の拡大を推進していきます。

大林組は、「多様な人材が個性と能力を活かして、やりがいを持って働くことのできる職場環境をつくるとともに、働く人の安全と健康の確保に努めます」という企業行動規範のもと、社員一人ひとりが多様な能力を発揮して活躍できる環境づくりを推進してまいります。