MR品質管理システム「holonica®」大幅刷新、協力会社も利用可能に
検査から是正完了確認までデジタル空間で完結、仕上げ検査業務のさらなる効率化を実現
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プレスリリース
株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:佐藤俊美)は、MR(Mixed Reality:複合現実)技術を利用して施工確認や検査などを行う品質管理システムholonica(ホロニカ)の大幅アップデートを行いました。仕上げ検査時における指摘事項の入力から是正完了確認までの一連の業務フローをデジタル空間上で完結するべく、協力会社向けの閲覧・利用機能を追加し、さらなる業務効率化を実現しました。
開発の背景
大林組は、施工管理にBIMデータを活用するなど、建設現場のDXを進めています。工事に関する膨大な情報の中から、検査時などに必要な情報を迅速に引き出せるよう、2021年に現実空間とBIMデータに基づく3Dモデルを正確に重ね合わせ、工事進捗や検査情報を記録するMR品質管理システムholonicaを開発しました(※1)。holonicaは仕上げ検査業務のほか、現地で完成イメージの共有にも利用され、2024年度までに50件超の大林組の建設現場で試行・適用されています。
holonicaが持つさまざまな記録や確認機能により、検査における指摘事項の入力作業が効率化された一方で、システムが社内利用に限られていたため、検査後に協力会社に対して行う是正指示と是正作業後の確認は、紙出力や別のアプリで行われていました。そのため、指示内容の伝達や是正後の報告に際し手間や制約が生じるほか、紙・別アプリから情報を読み取る際のヒューマンエラーの発生リスクなどの課題がありました。
そこでholonicaの社外利用を可能にするため、協力会社向けの閲覧・利用機能を追加したほか、既存機能の改良を実施しました。
大幅アップデート後のholonicaの特長
システム構成を変更し、協力会社にweb上で情報伝達
協力会社向けの閲覧・利用機能にスマートフォン版Webアプリを追加し、仕上げ検査時における指摘事項の入力から是正完了確認までの一連の業務フローをシステム内で完結することを可能にしました。その結果、協力会社への情報伝達時の事務処理が削減され、指摘事項の見落としや認識の齟齬(そご)などの発生リスクが解消されることで、確実かつ迅速な情報伝達を実現しています。また、スマートフォン版Webアプリの追加に伴い、管理用のPC版Webアプリと施工管理者が利用するiPadアプリの構成を最適化し、ARマーカーの配置の自由度を向上させるなど、機能の改善も行っています。


検査業務の約25%の省力化を実現
大幅アップデート後のholonicaを使った検査は、従来の検査手法と比べて約25%の省力化を実現しました。これは、是正指示内容の整理と発行、ならびに指示内容の伝達や是正完了時の報告に関わる所要時間を約90%削減できていることが大きく寄与しており、holonicaの有効性を示しています。また建設現場によっては現場から離れた位置に事務所が設置されることもあり、指示内容の伝達や完了報告に伴う手間や作業時間のさらなる削減効果も期待できます。
さまざまな施工確認や墨出しにも応用可能なholonica
holonicaは検査モードからビューモードに設定を切り替えることで、さまざまな施工管理に利用可能です。例えば、コンクリートの打設前の現場に打設後のBIMデータ(躯体モデル)を重ね合わせることにより、スリーブや開口の位置・個数などを確認できます。また天井インサートの配置や汚染土掘削時の墨出し、さらに鉄骨製品検査や起工式などで発注者や設計・監理者とともに完成イメージの確認が図れるなど、建設現場を幅広くサポートするシステムとなっています。
ビューモードは、アプリ上の1回のボタン操作で切り替え可能で、複雑な準備作業は不要です。

今後の展望
大林組は、holonicaのさらなるユーザビリティ向上に向けた開発を進めます。将来的には大林組以外の建設現場でも展開することで、建設業における生産性向上と品質管理業務の効率化に貢献していきます。
以上
この件に関するお問い合わせ先
大林組コーポレート・コミュニケーション室広報課
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