2015年度3R推進功労者等表彰で国土交通大臣賞を受賞

サステナビリティ

大林組の愛知・日光川水閘門(すいこうもん)(※1)の建設現場で取り組んだ3R(リデュース:発生抑制、リユース:再使用、リサイクル:再資源化)の活動が評価され、2015年度リデュース・リユース・リサイクル(3R)推進功労者等表彰で国土交通大臣賞を受賞しました。2010年度から6年連続の受賞となります。

表彰状を授与される大林組常務執行役員 掛布勇

表彰状を授与される大林組常務執行役員 掛布勇

3R推進功労者等表彰は、循環型社会形成に向け、3Rに率先して取り組み、継続的な活動を通じて顕著な実績を挙げている個人や団体を表彰するものです。

3Rの促進を図り、意識の高揚を促すために、リデュース・リユース・リサイクル推進協議会が1992年から主催するもので、環境・3R分野の表彰として広く定着しています。

国土交通大臣賞
  • 水閘門改築工事における建設副産物発生および排出の抑制

    日光川水閘門JV工事事務所(愛知県海部郡飛島村)

現行の水閘門(奥)の下流側に建て替えられた新設水閘門(手前)。潮が引くと湾内の藤前干潟が現れます

現行の水閘門(奥)の下流側に建て替えられた新設水閘門(手前)。潮が引くと湾内の藤前干潟が現れます

海水と混合され5,800m3
に増大すると見込まれていた建設排泥量を、3,800m3にまで削減しました

海水と混合され5,800m³に増大すると見込まれていた建設排泥量を、3,800m³にまで削減しました

水閘門の建て替え工事で採用した、基礎杭の支持力を増大させる「先端根固め工法」を水中で施工するに当たり、現場近くにある藤前干潟に配慮した環境対策を行いました。藤前干潟は、水鳥などの多くの生き物が生息する、ラムサール条約登録湿地(※2)になっています。

先端根固め工法は、鋼管杭の内側からセメント系硬化材を噴射し、円柱状の改良体を高速施工するもので、無対策で行うと高圧噴射されたセメント硬化剤と切削された土砂がそのまま海中に排泥されます。

そこで鋼管杭の上端に現場で制作した鞘(さや)管を結合し、建設排泥をポンプで吸引。鞘管結合部の止水性を高めて、海中への漏泥を防止することで、環境負荷を大幅に抑制しました。

大林組では、国土交通大臣賞のほか、5件の取り組みが3R推進協議会会長賞を受賞しました。大林組の中長期環境ビジョン「Obayashi Green Vision 2050」では、あるべき社会像の一つとして「循環社会の実現」を掲げています。これからも全社を挙げて「リデュース・リユース・リサイクル」を推進し、循環型社会の構築に貢献してまいります。

3R推進協議会会長賞
  • 橋梁工事での周辺環境に配慮した環境負荷物質・CO2・廃棄物の発生・排出削減

    新名神高速道路 木津川橋工事事務所(京都府城陽市~京田辺市)

  • RC躯体のPCa化による廃棄物の削減

    小豆沢一丁目工事事務所(東京都板橋区)

  • 在来型枠の削減、ごみの分別の推奨・啓蒙、積極的なリサイクル

    ロジポート橋本工事事務所(神奈川県相模原市)

  • 地域特性に配慮した建設現場における3R活動

    KDDI大阪ビル工事事務所(大阪府大阪市中央区)

  • 新工法~水平多工区構工法~による3Rの実現

    鹿野工事事務所(宮城県仙台市太白区)

  • ※1 日光川水閘門
    海側(伊勢湾)と川側(日光川)の水位差を調整し、船舶を航行させるための施設。日光川の内水位を低下させ高潮や洪水被害から流域を守る役割も果たしている
  • ※2 ラムサール条約登録湿地
    国際的に重要、およびそこに生息・生育する動植物を保全すべきであるとされた湿地を、169の条約締約国が各国内で登録。日本の条約湿地数は50ヵ所