脱炭素・循環・自然共生社会への取り組み
「脱炭素社会」「循環社会」「自然共生社会」に向けた大林組の取り組みを紹介します。
脱炭素社会
大林グループは、2019年に長期ビジョン「Obayashi Sustainability Vision 2050」を策定し、2040年~2050年の目標の一つとして「脱炭素」を掲げています。このビジョン実現に向け、「カーボンニュートラル」を経営の重点テーマとして経営計画に織り込み、具体的な取り組みを推進していきます。
新たな温室効果ガス排出削減目標の設定
大林グループでは、新たな温室効果ガス排出削減目標(2030年度目標)を次のとおり設定しました。本削減目標をもって、パリ協定に整合した温室効果ガス排出削減目標であるSBT(Science Based Targets)(※1)にコミットし、2022年10月に認定を取得しました。
- ※1 SBT(Science Based Targets)
パリ協定(世界の気温上昇を産業革命以前より2℃を十分に下回る水準(well-below 2℃)に保ち、さらに1.5℃に抑えることをめざすもの)が求める水準と整合した、5年~15年先を目標年として企業が設定する、温室効果ガス排出削減目標のこと - ※2 国際的な温室効果ガス排出量の算定と報告の基準として開発された「GHGプロトコル」で定められた温室効果ガス排出の区分
Scope1...事業者自らによる温室効果ガスの直接排出
Scope2...他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
Scope3...Scope1、2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)。なお、目標対象はカテゴリ1および11
脱炭素に向けた取り組み
大林グループの事業活動により排出される温室効果ガスはほとんどが二酸化炭素(CO2)であり、次の取り組みによりCO2の排出量を削減することで温室効果ガス排出削減目標を達成し、「Obayashi Sustainability Vision 2050」に掲げた「脱炭素」をめざしていきます。
徹底した省エネルギーの推進(Scope1、2)
建設現場では、これまで省燃費運転やアイドリングストップをはじめ、照明のLED化や省エネルギー(以下、省エネ)工法の積極的な採用など、省エネ活動を推進してきました。今後、これまでの取り組みを加速させるとともに、新たな省エネ工法や燃費性能の優れた建設機械(以下、建機)の開発・実用化を進めていきます。
軽油代替燃料などの導入(Scope1)
事業活動を通じて排出されるCO2の多くは、建設現場の建機などに使用される軽油などの燃焼から発生しています。CO2の排出を低減できる天然ガス由来の軽油代替燃料やバイオディーゼル燃料などを活用することで、CO2の排出削減を図ります。
将来的には、100%バイオディーゼル燃料や水素燃料の活用も視野に取り組みを進めていきます。
ICT省力化施工、ハイブリッド建機・電動建機の導入促進(Scope1)
ICTを活用した省力化施工の拡大やハイブリッド建機、電動建機の導入促進により、燃料使用量を低減します。
ICTの活用による盛土の省力化施工
再生可能エネルギーへの転換(Scope2)
建設現場・オフィスで使用する電力を再生可能エネルギー(以下、再エネ)へ順次切り替えます。
2026年度 | 2030年度 | |
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建設現場 | 50% | 100% |
開発不動産 | 賃貸オフィスビル 100% | 全賃貸物件 100% |
オフィス、寮・社宅、保養所 | 100% |
ZEB・ZEH-Mの推進・拡大(Scope3)
自社の事業活動から排出するCO2の削減だけでなく、お客様に引き渡した建築物の運用時に排出されるCO2の削減にも取り組みます。建物の用途や特性に応じて、最新の省エネ技術とノウハウによりお客様に最適なZEB・ZEH-M(※3)をご提案していきます。
2025年度目標 | 大林組が受注する設計業務およびコンサル業務のうち、ZEBが占める割合を50%以上とする |
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- ※3 ZEB・ZEH-M(Net Zero Energy Building/House - Mansion)
快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギー収支をゼロにすることをめざした建物
低炭素資材の活用(木造・木質化建築の推進など)(Scope3)
サプライチェーンなどと協働して低炭素資材の開発・実用化を進めていきます。CO2排出量を最大80%低減した低炭素型コンクリート「クリーンクリート®」を開発しており、建設現場での適用を拡大していきます。また、大型建築物の木造・木質化を推進することにより、建設資材および施工に伴うCO2の排出を削減していきます。
脱炭素に貢献する技術開発の推進(Scope1、2、3)
新たな省エネ工法、省燃費建機や電動建機の技術開発に加えて、水素利用なども含めたカーボンニュートラルに貢献する技術開発について、他業種とも連携しながら推進していきます。
関連情報
- 大林組技術研究所が地球温暖化防止活動環境大臣表彰を受賞しました(2019.01.28付)
- 豊洲フォレシアの壁面緑化が国土交通大臣賞を受賞 (2017.11.01付)
- 大阪・なんばパークスが日本建築学会賞を受賞 (2016.06.23付)
- 低炭素杯2016で「ベスト長期目標賞」を受賞(2016.03.22付)
- 大林組の地中熱利用技術が地球温暖化防止活動環境大臣表彰で受賞(2015.12.22付)
- 明るさ感指標を利用した光環境制御システムにブラインド制御機能を追加(2015.06.03付)
- 青森県青森市八甲田北西地域における地熱資源開発調査事業に係る調査坑井(こうせい)掘削の開始について(2015.05.25付)
- 国内初、低炭素型のコンクリート向けにJIS適合低炭素型混合セメントを実用化(2015.04.16付)
- 大林組技術研究所本館テクノステーションでZEBを達成(2015.04.14付)
- 快適な視環境と省エネルギーを両立する「自動ブラインド制御システム」を開発 (2015.03.27付)
- 大林組技術研究所にスマートエネルギーシステムが完成 (2015.02.16付)
- 大林組技術研究所本館テクノステーションで、国内初のソースZEB化工事が完了(2014.04.08付)
- 高効率・低コストの新型地中熱交換器を開発、自社建物で実証へ(2014.01.30付)
- 秋田県能代港で低コストの洋上風況観測技術を開発(2013.12.25付)
- 技術研究所本館テクノステーションがLEED-EBOMのプラチナ認証を国内最高得点で取得(2013.10.30付)
- 技術研究所にスマートエネルギーシステムを構築(2013.10.23付)
- 大林組技術研究所本館テクノステーションがCASBEE「既存」のSクラスを最高得点で取得(2013.09.17付)
- 神戸市内において大規模太陽光発電所(メガソーラー)の建設に着手(2013.08.20付)
- 大林不動産が東京都環境局のトップレベル事業所事例発表会で講演(2013.07.26付)
- 木工事の内外テクノスが国産木材の活用促進に協力(2013.07.02付)
- サステイナビリティ・サイエンス・コンソーシアムのパネル討論に参加(2013.06.17付)
- 世界初、電力消費量を3割抑制する省エネシールド工法を開発(2013.06.12付)
- 特設サイト「大林組の再生可能エネルギー創出事業」を公開(2013.05.22付)
- アートヴィレッジ大崎セントラルタワーが「トップレベル事業所」に認定(2013.04.26付)
- CO2排出量の削減率を国内最高水準の64.7%達成(2013.04.18付)
- ローコスト超ロングスパンを可能にする新たな木造建築技術を開発(2013.03.27付)
- タイ大林施工の複合施設でLEED®プラチナ認証取得(2013.03.18付)
- 国内初、間伐材小径木を活用したシステム工法による木造仮設建築を開発しました(2013.02.28付)
- 熊本県内最大の大規模太陽光発電事業(メガソーラー)が着工(2012.11.16付)
- カーボン・ディスクロージャー・プロジェクトの情報開示先進企業に選定(2012.11.06付)
- 鹿児島県阿久根市桑原城工業団地における太陽光発電事業の実施について(2012.10.04付)
- 高効率・省スペース・低コストの3方式の地中熱利用システムを開発・実証 (2012.07.26付)
- 熊本県芦北町において大規模太陽光発電事業(15MW)の事業者に選定(2012.07.12付)
- 大林組技術研究所本館で国内初の本格的「エミッションZEB 」を達成(2012.07.11付)
- 久御山太陽光施設の発電事業を開始しました(2012.07.04付)
- 国内の全事業所・工事事務所などで夏季の節電・省エネ策を実施します(2012.06.21付)
- 栃木県「とちぎサンシャインプロジェクト」真岡市候補地の太陽光発電事業者に内定(2012.06.07付)
- ZEC(ゼロエネルギー施工)への取り組みを推進します(2012.03.28付)
- 大林組技術研究所本館がサステナブル建築賞で国土交通大臣賞を受賞(2012.02.15付)
- 秋田市沖を対象に着床式の洋上ウィンドファームの実現可能性を調査(2012.01.12付)
循環社会
新築設計段階から完成後の運用管理・調査・診断、リニューアル計画までの最適なプランを立案し、建設物やインフラの長寿命化の実現をサポートするとともに、資源リサイクルや安全な土地・水の確保を考慮して事業活動を推進しています。
関連情報
- 2017年度3R推進功労者等表彰で国土交通大臣賞を受賞(2017.12.13付)
- 特例子会社オーク・フレンドリーサービスが大林組のエコ活動を推進(2016.5.27付)
- 業界初、新種微細藻類による水処理装置を搭載した道路除染システムを共同開発(2013.08.29付)
- サステイナビリティ・サイエンス・コンソーシアムのパネル討論に参加(2013.06.17付)
- シールド汚泥に含まれる自然由来ヒ素の浄化工法を開発(2013.05.16付)
- 震災コンクリートがらを利用した海水練りコンクリートを開発・実証 (2013.04.11付)
- 高品質再生骨材コンクリートの供給体制を構築(2013.04.04付)
- ローコスト超ロングスパンを可能にする新たな木造建築技術を開発(2013.03.27付)
- 「水頭差を利用した吸引方式による排砂工法」について実験を実施(2013.03.22付)
- 放射性物質を含む廃棄物を安全に埋め立て処分する技術を開発(2013.02.01付)
- がれき残渣を有効活用した建設資材「アップサイクルブロック」を開発(2012.11.15付)
- 「海水練り・海砂コンクリート」を応用して放射線遮蔽技術を開発(2012.08.30付)
- アスファルト舗装道路の除染技術「バイノスRD工法」を開発(2012.04.25付)
- 放射線モニタリング技術の実証試験を開始へ(2011.09.07付)
- 技術研究所旧本館を「材料化学実験棟」にコンバージョン(2011.05.18付)
- 沿岸域での施工に適した海水と海砂を利用した高耐久・高強度なコンクリートを開発(2011.03.31付)
自然共生社会
生物多様性に関する考え方
生物多様性は、人間や動植物を含むさまざまな生物が持続するための基盤であり、未来世代に引き継ぐべき財産です。生物多様性は人間の社会活動に恩恵をもたらすとともに、地域独自の豊かな文化と暮らしの安全性を支えてきました。 私たちは「大林組環境方針」に基づき、自社の活動が生物多様性に与える影響を認識し、さまざまな事業活動を通じてその負荷の低減と生物多様性の保全に取り組みます。
生物多様性に関する方針
- 1 事業活動を通して生物多様性の保全と生物資源の持続的活用に貢献する。
- 2 生物多様性の保全に寄与する技術を積極的に社会に提案するとともに、自然を活かし自然と共生する有効な技術開発を行う。
- 3 省エネルギー、省資源、3R、グリーン調達、有害化学物質対策等により持続的な発展が可能な社会づくりを推進し、生物多様性への環境負荷の低減に努める。
- 4 自社施設での生物多様性の保全に努める。
- 5 生物多様性への取り組みの実効性を上げるため、社会とのコミュニケーションに努める。
- 6 環境教育、広報活動などにより、生物多様性を育む意識の向上に努める。
2009年5月19日制定
関連情報
- 11年連続、技術研究所の雑木林に咲く貴重種キンランの観察会を実施(2019.05.27付)
- 豊洲フォレシアの壁面緑化が国土交通大臣賞を受賞 ( 2017.11.01付)
- 大阪・なんばパークスが日本建築学会賞を受賞( 2016.06.23付)
- なんばパークスが第41回「環境賞」で優良賞を受賞しました( 2014.06.13付)
- サステイナビリティ・サイエンス・コンソーシアムのパネル討論に参加( 2013.06.17付)
- 津波被害を受けた農地に、菜の花が咲きました(2013.05.29付)
- 塩害農地などへの簡易な除塩技術「木材チップ塩成土壌改良工法」を開発・実証しました(2013.03.06付)
- 国内初、間伐材小径木を活用したシステム工法による木造仮設建築を開発しました(2013.02.28付)
- 生き物を呼び込むための環境評価システム「いきものナビ®」を開発 (2013.02.20付)
- 港区の生物多様性フォーラムでオーク表参道の屋上緑化を紹介(2013.02.05付)
- 京都・桂高校の生徒たちと津波堆積土のあぜを緑化試験(2012.11.02付)
- 再開発事業に伴う人工緑地の豊かな緑への成長を確認(2012.10.11付)
- 六花の森プロジェクトが日本建築学会賞を受賞(2011.04.13付)
- 都市のオアシス「品川セントラルガーデン」で環境調査(2011.03.11付)