天望回廊のつくり方
鉄骨と外装材を一体化
東京スカイツリーには2つの展望台があります。空に近い方、地上450mの「東京スカイツリー天望回廊(第2展望台)」の外周には、らせんを描きながら緩やかに上のフロアに続く「天望回廊」と呼ばれるチューブ型でガラス張りの通路があります。
今回はこの天望回廊のつくり方をご紹介します。

鉄骨と外装材を一体化させたブロックの組み立て
天望回廊はすり鉢状に張り出した形状のさらに外側に付いています。上に広がっている形状と450mの高さという条件から作業の安全性と効率性を考慮し、地上であらかじめできることはすべて行ってから取り付けます。
個別ブロックの組み立て(地組み)
天望回廊は全長を22個の個別ブロックに分割して取り付けます。
まずは地上の作業ヤードで、構造体の鉄骨と外装材(サッシュ枠や外装パネル)を一体化させた個別ブロックを組み立てます。一体化させる個別ブロックの組み立て作業は、取り付ける勾配に合わせ、専用の架台の上で行います。
また、高所での取り付け作業を安全に行うため、個別ブロックには外周部の安全ネットや足場などの安全設備もあらかじめ取り付けてから吊り上げます。


一体化ブロックの取り付け
地上の作業ヤードで組み立てた(地組みした)天望回廊の個別ブロックは、上にいくほど広がるすり鉢状の壁面に取り付けるため、図のようにぶつかってしまうので通常の吊り方では取り付けられません。
そこで、クレーンで吊る位置と吊り荷の位置をずらすために吊りてんびんを使用します。長い吊りてんびんの向きを自在に変え、取り付けを容易にするためにスカイジャスターで制御しています。


上空450m、ガラスは安全ネットの中で設置
個別ブロック化した鉄骨の建て方が完了した後、高さ450mの天望回廊ではサッシュ枠の位置調整を行い、ガラスのはめ込みを行います。

これらの作業は、あらかじめ地上で設置した安全ネットで覆われた作業空間で、人や物を絶対に落とさない作業手順で行われています。
外装工事完了後には安全ネットは解体され、天望回廊の工事は内部の仕上げへと進みます。

本ページの内容は、2012年に完成した
東京スカイツリー建設中に公開した情報です。