シールド掘進管理技術
色と匂いで知らせる摩耗検知ビット
視覚と嗅覚によりカッタービットのトラブルを未然に防止
色と匂いで知らせる摩耗検知ビットとは?
カッタービットの摩耗量が設定値に達した際に染料や香料を地山に噴出させることで、掘削土砂に付着した色や匂いで摩耗状況を把握する技術です。色や匂いで摩耗情報を知らせるので、シールドマシンから離れた位置でも確認でき、カッターの健全度を容易に確認できます。
また、染料や香料を噴出する機構をカッタービット付近に集約することで、摩耗検知ビット装備のためのケーブルや配管が不要になり、多数装備することができます。これにより、多くのカッタービットの摩耗状況を把握して、より正確に評価できます。

お客様のメリット
カッタービットに起因するトラブルを未然に防止し、シールド掘進工程を確保します
- 摩耗検知ビットの配置スペースの制約がないため、同一または異なる円周上に複数装備できます。さらに、装備場所や摩耗量の設定値に応じて異なる染料や香料を使用することで、排出される色や匂いから、異常のあるカッタービットの位置と摩耗量を把握することができます。
これにより、カッターの健全度をより正確に評価できるため、カッタービットに起因するトラブルを未然に防止し、シールド掘進工程を確保できます。

視覚と嗅覚により摩耗状況を複数の工事関係者が確認できます
- 掘削土砂に付着した色は、ベルトコンベヤー、ずり鋼車、土砂ピットなどにおいて視覚で、また、匂いはシールド坑内にて嗅覚で、複数の工事関係者が確認できます。色や匂いを確認するための機器は不要なため、想定より摩耗の進行が早く、カッタービットに異常が発生した場合でも、早期に気付くことができます。
なお、色・匂いともに機械的に確認することも可能です。色については、染料に蛍光塗料を使用し、ベルトコンベヤーやずり鋼車上にて、UV ライトを照射後、撮影した画像を分析して確認します。匂いについては、香料の溶媒にエタノールなどの有機溶剤を使用し、坑内の空気中に含まれる有機溶剤の成分を計測して確認します。




【実績・適用例】
- ガス導管トンネルにて試験施工
【その他】
雑誌掲載:専門誌『日経コンストラクション』2022年12月号「カッタービットの摩耗を色と匂いで把握」