トンネル切羽前方の弾性波探査技術

水圧ハンマーVチェッカー®

先進ボーリング時の打撃振動を利用し地質リスクを早期に把握

水圧ハンマーVチェッカーとは?

山岳トンネル施工時に行う地質調査のための先進ボーリングを利用して、2種類の前方探査を同時に行う技術です。先端駆動型水圧ハンマーを使用するトンネル切羽前方探査技術「水圧ハンマーナビ®」を用いて削孔(さっこう)区間の地山の硬軟を調べるとともに、ボーリング孔削時の打撃振動を坑内側壁に設けた受振器で受振し、削孔区間の岩盤のP波速度分布を測定します。これら2つの技術により、切羽前方の地質の急変、断層破砕帯、脆弱地山、予期せぬ湧水などの地質リスクを早期に把握できます。

  • 水圧ハンマーVチェッカーの構成

  • 水圧ハンマーVチェッカーの設置・計測イメージ

お客様のメリット

早期探査が可能

  • 8時間で150mのボーリングが可能な水圧ハンマーの活用により、掘りながらデータを評価・分析し、2日間で結果を出します。そのため同じ原理を用いた他の技術よりも早い時期に地質状況を把握できます。
  • 従来の反射法探査技術(TSP)と同程度のコストで、ボーリング探査と弾性波探査が同時にでき、追加工事も発生しません。
  • 探査の翌日には結果が出るため、探査結果を反映させた施工が可能です。

精度の高い探査を実現

  • 反射法探査の原理のみを用いた方法と比べ、探査距離は同程度以上で、かつ、直達波を利用するため、より高精度にP波速度の計測が可能です。
  • ノイズを低減する特殊なセンサ配置機構により、精度の高い探査を行うことができます。
  • 探査で得られたP波速度の結果は切羽観察記録と整合的で、地山の変化を適切に捉えることができます。

安全な施工に寄与

  • 先進ボーリングによる水抜き効果もあり、安全・安心な施工に寄与します。

【現場実証実験の様子】


開発した専用機材とドリルビット

【水圧ハンマーVチェッカーによる2つの探査結果と実際の切羽観察記録】

水圧ハンマーナビ、TSWDの2つの探査結果と切羽観察記録は整合的な地質性状であることを示している

【実績・適用例】

  • 現場実証実験 1件

【その他】

雑誌掲載:専門誌『トンネルと地下』2023年8月号「連載講座 山岳トンネルにおけるデジタル技術の活用(5)」

  • ※1 TSWD(Tunnel Seismic While Drilling)
    ボーリング時の打撃振動を利用して弾性波探査を行うSWD(Seismic While Drilling)の原理をトンネルに適用した技術。ボーリングと同時に弾性波探査が可能
  • ※2 エネルギー指標値
    ボーリングの削孔エネルギーに関する独自の予測式を用いた指標値

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