神戸・関西圏水素利活用協議会の設立と参画について

プレスリリース

株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:蓮輪賢治)は、水素の利活用の推進に取り組む事業者(※1)と共に、神戸・関西圏における水素利活用の社会実装と水素サプライチェーン構築(※2)を目的とする「神戸・関西圏水素利活用協議会」(以下、本協議会)を設立し、参画します。

神戸・関西圏では、大林組と川崎重工業が神戸ポートアイランドで取り組む「水素CGS活用スマートコミュニティ技術開発事業」(2015年開始。2019年以降は「ドライ低NOx水素専焼GT技術開発・実証事業」(※3)に引き継ぎ)や、技術研究組合CO2フリー水素サプライチェーン推進機構(HySTRA)による「未利用褐炭由来水素大規模海上輸送サプライチェーン構築実証事業」(※4)のほか、水素発電導入可能性調査の実施など、従来から世界に先駆けた水素供給および水素利活用に関する取り組みを実施しています。

本協議会は、社会実装に向けたこれらの取り組みを一層加速させ、日本政府が発表した「水素基本戦略」(※5)、「水素・燃料電池戦略ロードマップ」(※6)の目標実現をめざすため、水素関連事業に取り組む事業者が集まり設立しました。各事業者がこれまでの実証事業で得た知見と本地域で保有するリソースを融合させ、2030年の大規模水素利活用を見据えた事業モデルの検討を実施します。また、経済産業省資源エネルギー庁および新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と神戸市は、オブザーバーとして本協議会を支援します。

大林組は、本協議会において他の事業者やオブザーバーとともに、2030年の商用化に向けた大規模実装の実現をめざします。そのステップとして2025年頃の水素利活用商用化実証に関する具体的なスキーム構築に向けて、以下の活動に取り組んでいきます。

  • 大規模水素サプライチェーン構築のために需給一体となって、神戸・関西圏における水素利活用の事業モデル検討を実施する
  • 神戸・関西圏における水素利活用モデルの社会実装に向けたロードマップを作成する
  • 社会実装における課題を明確にし、国や自治体へ政策提言を行う

大林組は、これまでに「水素CGS活用スマートコミュニティ技術開発事業」、2018年にニュージーランドで開始した「地熱由来グリーン水素サプライチェーン構築実証事業」、そして2020年の大分県九重町における「地熱発電および水素製造実証プラント建設」など、脱炭素社会の実現を見据えた水素サプライチェーンの構築に向けて積極的に取り組んできました。本協議会の活動を通じて、2030年のCO2フリー水素の社会実装を推進し、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。

  • ※1 事業者(設立時会員、50音・ABC順)
    岩谷産業株式会社(※)、株式会社大林組、川崎汽船株式会社、川崎重工業株式会社、関西電力株式会社、株式会社神戸製鋼所、シェルジャパン株式会社、電源開発株式会社、丸紅株式会社(※)、三菱パワー株式会社、ENEOS株式会社
    ※事務局/幹事
  • ※2 水素サプライチェーン構築
    水素を製造、貯蔵・輸送し、燃料電池自動車(FCV)や燃料電池ほかによる発電などで「利用」するまでの一連の流れ
  • ※3 水素CGS活用スマートコミュニティ技術開発事業
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成を受けて、水素を燃料とする1MW級ガスタービン発電設備(水素コジェネレーションシステム)から発生させた熱や電気を、病院など近隣の公共施設に供給し、地域コミュニティ内でのエネルギー最適制御システムの運用を検証している
  • ※4 未利用褐炭由来水素大規模海上輸送サプライチェーン構築実証事業
    技術研究組合CO2フリー水素サプライチェーン推進機構(HySTRA)が、NEDOの助成を受けて、(1)褐炭ガス化技術、(2)液化水素の長距離大量輸送技術、(3)液化水素荷役技術の技術開発を行っている
    HySTRAウェブサイト:http://www.hystra.or.jp/
  • ※5 水素基本戦略
    水素社会を実現するため、2050年のビジョンを示し、その実現に向けた2030年までの行動計画を掲げ、ガソリンやLNGなどと同程度の水素コストの実現を目標としている
    経済産業省ウェブサイト:https://www.meti.go.jp/press/2017/12/20171226002/20171226002.html
  • ※6 水素・燃料電池戦略ロードマップ
    水素基本戦略および第5次エネルギー基本計画で掲げた目標を確実に実現するために、国の水素・燃料電池戦略協議会が策定したもの
    (1)めざすべきターゲットを新たに設定して目標達成に向けた必要な取り組みを規定するとともに、(2)有識者による評価WGを設置し、分野ごとのフォローアップを実施することとしている
    経済産業省ウェブサイト:https://www.meti.go.jp/press/2018/03/20190312001/20190312001.html

【協議会設立発表資料】

以上

この件に関するお問い合わせ先
大林組 コーポレート・コミュニケーション室 広報課
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