株式会社大林組（本社：東京都港区、社長：蓮輪賢治）が会員として参画する「神戸・関西圏水素利活用協議会」（以下、本協議会）は、2020年8月の設立以降、神戸・関西圏における水素社会の将来ビジョンを策定し、ビジョンに基づく水素需要ポテンシャルの試算、供給ポテンシャル量および価格の試算を行いました。その上で、2030年頃の水素サプライチェーンを定量化し、課題の抽出、ビジョン実現に向けたアクションプランの策定などを実施しました。

このたび、上記の取り組みについてまとめたレポート『神戸・関西圏水素利活用協議会 協議会レポート -将来ビジョン整理と需給の定量化-』を作成しましたので報告します。

大林組は、これまでに川崎重工業と共に神戸ポートアイランドで取り組む「水素CGS活用スマートコミュニティ技術開発事業」（2015年開始、2019年以降はドライ低NOx水素専焼GT技術開発・実証事業。いずれもNEDO（新エネルギー・産業技術総合開発機構）助成事業（※1））のほか、2018年にニュージーランドで開始した「地熱由来グリーン水素サプライチェーン構築実証事業（※2）」、そして2020年の大分県九重町における「地熱発電および水素製造実証プラント建設（※3）」など、脱炭素社会の実現を見据えた水素サプライチェーンの構築に向けて積極的に取り組んできました。

また2021年4月1日にはグリーンエネルギー本部を新設し、「カーボンニュートラルの実現」に向けてグリーンエネルギーへの取り組みを強化しています。

今後も本協議会の活動を通じて、2030年のCO2フリー水素の社会実装を推進し、脱炭素社会の実現に貢献していくとともに、お客様や社会に新たなグリーンエネルギー・ソリューションを提供していきます。

• ※1　水素CGS活用スマートコミュニティ技術開発事業
  国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）の助成を受けて、水素を燃料とする1MW級ガスタービン発電設備（水素コージェネレーションシステム）から発生させた熱や電気を、病院など近隣の公共施設に供給し、地域コミュニティ内でのエネルギー最適制御システムの運用を検証している
• ※2　地熱由来グリーン水素サプライチェーン構築実証事業
  ニュージーランドにおいて、地熱由来電力による水素製造（1.5MW、年間100t）だけでなく、輸送から利用までの一貫したサプライチェーンを構築し、グリーン水素サプライチェーンの事業性を検証する。2021年3月にはプラントが完成し、水素製造を開始した。6月にオープニングセレモニーの実施を計画している
• ※3　地熱発電および水素製造実証プラント建設
  系統連携できていない地熱発電電力を水素に変換し、地域で活用する実証事業。変動する蒸気と熱水を利用して効率よく発電する技術、水素製造と消費を把握しながら水素を搬送するシステムの開発に取り組んでいる

岩谷産業株式会社、株式会社大林組、川崎汽船株式会社、川崎重工業株式会社、関西電力株式会社、株式会社神戸製鋼所、シェルジャパン株式会社、電源開発株式会社、パナソニック株式会社、丸紅株式会社、三菱パワー株式会社、ENEOS株式会社（50音、ABC順）

岩谷産業株式会社、デロイトトーマツコンサルティング合同会社、丸紅株式会社（50音順）