低炭素型セグメント「クリーンクリート®セグメント」をシールド工事で初適用

技術・ソリューション

大林組は、岡山市内で建設を進める中国電力ネットワーク株式会社発注のシールド工事において「クリーンクリートセグメント」が初適用され、セグメントの製造を開始しました。

  • クリーンクリートセグメント製造状況

クリーンクリートは、セメントの代わりに産業副産物である高炉スラグ微粉末を大量に活用することで、CO2排出量を最大80%削減可能なコンクリートです。製造に特殊な設備は不要で、現場打設とプレキャスト製品の両方に適用できる高い汎用性があります。大林組は、2010年5月に「クリーンクリート」を開発し、100件以上の建設現場で適用され、2024年3月時点での累計打設量は約42万m³に達しています。

シールド工事で使用するセグメントの主な材料はコンクリートであり、1m³当たり約300kgのCO2が製造過程において発生しています。クリーンクリートセグメントは、セグメント製造時におけるCO2排出量削減を目的に、材料にクリーンクリートを使用しており、セグメントの製造性、製造サイクル、性能などを検証した結果、適用可能であることを確認しています。

今回、中国電力ネットワーク発注のシールド工事の一部区間に、実工事として初めてクリーンクリートセグメントを適用することが決まり、IHI建材工業静岡工場にて製造を開始しました。当工事では、セグメント1リング当たりのCO2排出量を通常の588kgから199kgに減らし、約66.2%の削減ができます。

  • クリーンクリートセグメント打設状況

  • クリーンクリートセグメント性能試験

大林組は、CO2排出量を大幅に削減できる低炭素型セグメント「クリーンクリートセグメント」をシールド工事へ積極的に提案することで、建設業界のカーボンニュートラル推進に先導的な役割を果たし、健全かつサステナブルなインフラ構築に貢献していきます。