大林組、シンガポール事業進出60周年の記念式典を開催

未来に向け、人材育成とイノベーションをさらに強化

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大林組は、1965年のシンガポール事業進出から60周年を迎え、9月4日にシンガポールを代表するホテル「マリーナベイ・サンズ」にて記念式典を開催しました。式典にはシンガポール国家開発省(Ministry of National Development)のChee Hong Tat(チー・ホン・タット)大臣、石川浩司 駐シンガポール日本国特命全権大使をはじめとする来賓の他、大林組からは会長の大林剛郎、社長の佐藤俊美ら関係役員、大林組のステークホルダーなど関係者約620人が出席しました。

シンガポール事業の軌跡を振り返る大林組アジア支店長 兼 大林シンガポール社長 リー・アイクセン

式典の始めに、大林組アジア支店長 兼 大林シンガポール社長のLee Aik Seng (リー・アイクセン)は、1965年にマレーシアから独立したシンガポールの成長とともに歩んできた大林組の現地での軌跡と、未来に向けた思いを語りました。

「大林組は、1965年からシンガポールのスカイライン(都市を形成する高層建築物の稜線)とインフラの形成に誇りを持って携わってきました。高層ビルの建設から日常生活を支える社会基盤整備まで、私たちの手がけたプロジェクトは多岐にわたります。しかし、この歩みは単にコンクリートと鉄で築かれたものではありません。それは『信頼』『協働』、そして『誠実なものづくり』によって築かれてきたのです。

60年間、数々の危機やパンデミック、浮き沈みを乗り越えながらも、大林組はシンガポールの地に希望を持ち、未来を信じて歩み続けてまいりました。なぜそこまでシンガポールにこだわるのか?とよく聞かれます。私の答えはいつも同じです。政治的にも経済的にも安定していることに加え、『計画が素晴らしく、実行力がある』という点がシンガポールの強みです。政府機関、クライアント、パートナー、高等教育機関、そして地域社会とのパートナーシップは、私たちの成長の礎となっています。今後も人材育成とイノベーションに力を注ぎ、シンガポールと共に歩んでまいります」と今後の決意を述べました。

祝辞を述べるシンガポール国家開発省 チー・ホン・タット大臣

チー・ホン・タット大臣も登壇し、「シンガポールもまた、建国60周年という節目を迎えました。この共通の記念の年は、大林組の歩みが、シンガポールの国家建設の歴史と深く連動していることを改めて思い起こさせるものです。1965年、シンガポールは発展途上の国でしたが、貴社は当地に投資を行い、オフィスを開設されました。シンガポールがマレーシアから分離した年に、貴社は私たちに投資し、信任の一票を投じてくれたのです。

この60年間、貴社がシンガポールと共に歩んでくださったことに、心より御礼申し上げます。」と祝辞を述べました。

その後、大林組が取り組むサステナビリティやDX(デジタルトランスフォーメーション)を紹介するムービーの上映や、日本らしい和太鼓のパフォーマンスや鏡開きなどの催しが会場を大いに盛り上げました。

  • 会場を盛り上げた迫力ある和太鼓のパフォーマンス

  • 鏡開きを行う大林組および大林シンガポールの役員はじめ関係者ら

またESG活動の一環として、大林組とアジア諸国のパートナー企業は、シンガポール国立大学(NUS)や南洋理工大学(NTU)、シンガポール工科大学(SIT)、シンガポール工科デザイン大学(SUTD)における奨学金・補助金・プログラムなどの制度に対して150万シンガポールドル以上を寄付し、式典中に寄付セレモニーを執り行いました。

式典と並行して、2025年9月3日から5日にかけて「マリーナベイ・サンズ」で開催された、アジアの建設業界における国際建設イベント「BEX ASIA」に出展しました。

この展示会では、「Obayashi SG60 VISION」と題し、シンガポールにおける60年の歴史や、未来に向けたビジョン、そして最先端の技術を紹介。森と共に生きる木造循環型都市「LOOP50」の模型展示やバックホウ遠隔操作のデモンストレーションを行い、サステナビリティや脱炭素など、グローバルに展開する大林グループの取り組みを来場者に向けて発信しました。

チー・ホン・タット大臣に木造循環型都市「LOOP50」建設構想を説明

大林組は1965年にシンガポールで建設事業を開始し、長年にわたり同国のインフラ整備や建築プロジェクトに貢献してきました。当初は土木事業を中心に事業を展開し、シンガポール東部海岸の埋め立て工事など大規模な土木工事に長期間携わりました。その後、1990年には現地法人を設立、2014年には建築部門を現地法人化し、オフィスビルやデータセンターをはじめ、チャンギ空港内の複合施設「Jewel Changi Airport」や「バードパラダイス」などの象徴的な建設物を手がけ、国の発展に貢献しています。さらに、チャンギ空港の新たな第5ターミナル基礎工事にも参画するなど、多様な建設プロジェクトの実績があります。2024年にはアジア地域の研究開発拠点としてObayashi Construction-Tech Lab Singaporeを設置し、遠隔操作クレーン、ロボティクス、3Dプリンティングなどの技術を試験導入し、生産性向上、安全性強化、人手依存の軽減に取り組んでいます。

記念式典には大林組および大林シンガポール役職員、ステークホルダーなど関係者約620人が出席