大林組、国土交通省DXルームから能登半島災害復旧現場の建設機械を遠隔操縦
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技術・ソリューション
大林組は、11月18日、19日に、国土交通省DXルーム(※1)(東京都千代田区)で開催された見学会において、建設機械の遠隔操縦技術を紹介しました。見学会には国土交通省の佐々木紀副大臣ら多数の国土交通省関係者が参加し、大林組が開発した汎用遠隔操縦装置「サロゲート®」による遠隔操縦の様子などを視察しました。 サロゲートは、既存の建設機械に装着して遠隔操縦が可能となるほか、有人操作と遠隔操作の切り替えが容易なため、建設現場の省人化や作業員の柔軟な働き方、災害復旧などの危険な場所での作業に寄与します。 今回の見学会は、国土交通省が推進するi-Construction 2.0(※2)について、建設現場での安全性の向上、労働環境の改善、担い手不足対策への効果が期待されている遠隔操縦の状況を実際にご覧いただくために開催されたものです。 大林組技術者による遠隔操縦システムの概要説明の後、能登半島地震の災害復旧現場(石川県輪島市)や大林組西日本ロボティクスセンター(大阪府枚方市)に設置されたバックホウを、DXルームの操縦席からオペレーターが実際に遠隔操縦しました。参加者は、操作レバーの動きに合わせて建設機械が動く様子をモニターで確認しました。 当日、参加者からは遠隔操縦に慣れるまでの時間について質問があり「早い人で30分、時間がかかる人でも半日程度」と大林組技術者が回答するなど、遠隔施工技術普及への可能性の高さが示されました。 輪島市の災害復旧現場にあるバックホウをオペレーターにより遠隔操縦


今回の見学会は、最先端の遠隔施工技術について、DXルームに操縦席を設置し実演・発表の場とした初の取り組みとなりました。
大林組は今後も、時間や場所にとらわれない働き方や多様な人材活用、さらには国境を越えた遠隔施工や復旧支援の実現に向け、建設DXの推進に貢献していきます。これからも、建設業における生産性、安全性の向上に取り組んでまいります。
- ※1 DXルーム
国土交通省本省にて2021年4月から整備した、デジタルツインによる仮想空間上の検討など、3次元データ利用の可能性を広げ、これまでの仕事のやり方にイノベーションを巻き起こし、新たな働き方改革の実践と民間などの先端技術の学び・体感のための、インフラDXを推進する拠点となる施設 - ※2 i-Construction 2.0
2024年4月に国土交通省が策定した、2040年度までに建設現場の省人化を少なくとも3割、すなわち生産性を1.5倍向上することを目指し、「施工のオートメーション化」、「データ連携のオートメーション化」、「施工管理のオートメーション化」を3本の柱として、建設現場で働く一人ひとりが生み出す価値を向上し、少ない人数で、安全に、快適な環境で働く生産性の高い建設現場の実現を目指す、建設現場のオートメーション化の取り組み