大林組、世界初のTLP型ハイブリッド浮体式洋上風力発電施設の基本設計承認を日本海事協会から取得

プレスリリース

株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:佐藤俊美)は、開発研究を進めている鋼・コンクリートのハイブリッド構造を採用したTLP(テンション・レグ・プラットフォーム)型浮体式洋上風力発電施設の支持構造物について、一般財団法人日本海事協会(ClassNK)より、基本設計承認(AiP:Approval in Principle)を取得しました。本承認はTLP型浮体式洋上風力発電施設の支持構造物の安全および構造強度について、ClassNKガイドラインの要求事項に照らした評価が実施され、成立可能な設計であると評価されたものです。また、ClassNKが鋼・コンクリートのハイブリッド構造を採用したTLP型浮体式洋上風力発電施設の支持構造物にAiPを発行するのは世界初(※1)の事例になります。

本支持構造物の開発は、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の委託事業「浮体式洋上風力発電の導入促進に資する次世代技術の開発」の一環として行われました。

1MW風車を搭載したTLP型ハイブリッド浮体式洋上風力発電施設(イメージ)

大林組は2012年からTLP型浮体式洋上風力発電施設の研究開発に取り組み、水槽模型実験や数値解析、浮体のみの実海域実証試験を通じて、浮体構造の安全性および動揺特性について検証を重ねてきました。また、2018年には風車を搭載したTLP型のコンクリート浮体についてClassNKからAiPを取得し、認証および設計対応の知見を蓄積しました。今回は、これまでの取り組みを通じて得た知見を基に、TLP型浮体に鋼製部材とコンクリート部材を適材適所で組み合わせたハイブリッド型構造を世界で初めて採用しました。

本支持構造物の特長は次のとおりです。

低コスト化が期待できる浮体式基礎

ハイブリッド構造の採用により、鋼製部材とコンクリート部材をそれぞれ製作し、運搬後に現場の組立ヤードで接続することが可能となります。その結果、部材製作や施工方法の選択肢が広がり、他の浮体形式(鋼製セミサブ)と比較して大林組試算で浮体建造費の25%削減が見込まれます。また、部材を同時並行で製作できることから、量産化を見据えた製造体制の構築が容易になります。

安定した発電性能

TLP型係留は係留索に常時張力を与えることで浮体の上下動揺を抑制できることから、大林組試算では、他の浮体形式(セミサブ)と比較して発電効率が約8%向上し、安定した発電性能の確保が期待できます。

漁業活動への影響の抑制

TLP型係留は一般に水深の10倍程度の占用幅が必要とされるカテナリー型係留に比べ、係留索の広がりが小さく占用海域を最小限に抑えられるため、漁業活動への影響を抑制しやすい方式として注目されています。

今回のAiP取得により、商用時を想定した設計を次段階へ進める基盤が整いました。

大林組は、今後NEDO事業のもとで、2028年に風車を搭載した実海域実証実験の実施を目指します。実証成果を踏まえて、本技術のさらなる高度化を図り、浮体式洋上風力発電の早期社会実装と普及拡大、ならびに再生可能エネルギーの導入拡大による2050年カーボンニュートラルの実現に貢献してまいります。

AiP授与式の様子
(左からClassNK 山口欣弥常務理事、NEDO 松本真太郎理事、大林組執行役員 上月健司)
  • ※1 一般財団法人日本海事協会調べ(2026年4月時点、TLP型ハイブリッド浮体式基礎に対するClassNKのAiPとして)

以上

この件に関するお問い合わせ先
大林組コーポレート・コミュニケーション室広報課
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