CO2固定吸収型コンクリート「クリーンクリートN®」を福島・中間貯蔵施設工事に適用

アサヒ飲料「CO2を食べる自販機」で回収した材料を活用し、CO2吸収・固定化材料の調達先を拡充

技術・ソリューション

大林組は、二酸化炭素(CO2)吸収・固定化材料の混和によりCO2排出量を実質ゼロ以下(カーボンネガティブ)にすることも可能なコンクリート「クリーンクリートN」を、環境省発注の「中間貯蔵双葉地区受入分別処理・貯蔵工事」(福島県双葉郡浪江町)の仮設建物基礎に適用しました。土木工事における現場打設コンクリートへの適用は初となります。また、クリーンクリートN の原料となるCO2吸収・固定化材料については、アサヒ飲料が展開する「CO2を食べる自販機」で大気中のCO2を吸収した材料を新たな調達先に加えました。これにより、原料調達の多様化を図るとともに、全国展開を見据えた調達体制の拡充を進めています。

中間貯蔵双葉地区受入分別処理・貯蔵工事での「クリーンクリートN」打設状況

クリーンクリートNは、低炭素型のコンクリート「クリーンクリート®」に、あらかじめCO2を吸収・固定化した粉体(主に炭酸カルシウムなど)を混和することで、CO2排出量を最大約120%削減可能なCO2固定吸収型コンクリートです。特別な設備を必要とせず、通常のコンクリートと同様の施工プロセスで施工できます。

これまでは、CO2吸収・固定化材料の製造拠点から現場への運搬に伴うCO2排出量などを考慮し、首都圏近郊の現場を中心にクリーンクリートNの適用を進めてきました。大林組は、地方部や山間部にも点在する全国の建設現場への適用拡大を見据え、アサヒ飲料が展開する「CO2を食べる自販機」内でCO2を吸収した材料を回収し、クリーンクリートNの材料として活用する体制を構築しました。

アサヒ飲料は、CO2を資源循環させる取り組みとして、CO2を吸収する材料を庫内に搭載した「CO2を食べる自販機」を全国に設置しています。自販機内でCO2を吸収した材料を回収し、コンクリート、アスファルト、無焼成タイルなどの材料にするなど、CO2固定と資源循環につながる取り組みを進めています。

今回の福島・中間貯蔵施設工事への適用では、セメントの代替として高炉スラグ微粉末(産業副産物)を75%使用してCO2排出量を低減したクリーンクリートに、細骨材の一部としてアサヒ飲料の自販機でCO2を吸収した材料を用いることで、CO2排出量を実質ゼロ以下としました。

また、アサヒ飲料の自販機への飲料補充時に、CO2吸収材の設置・回収を行うことで、CO2吸収・固定化材料の輸送に伴う新たなCO2排出を抑制しています。既存の物流網を活用して材料を回収・供給し、大林組の建設現場で利用することで、CO2の回収から材料化、利用までを地域内で循環させる「地産地消型のCO2資源循環」につながる取り組みを進めています。

従来のコンクリート、クリーンクリート、クリーンクリートNにおける1m³当たりのCO2排出量の比較

大林組は今後も、製造過程や材料調達を含めたライフサイクル全体におけるCO2排出量を考慮しながら、クリーンクリートおよびクリーンクリートNなどの低炭素・脱炭素材料の適用を全国に拡大し、サプライチェーン全体でCO2排出量削減を推進してまいります。