大規模更新技術
スリムトップ™
防水性能を有するプレキャスト床版を使用した床版取替工法
スリムトップとは?
スリムトップはスリムクリートの防水性能を利用したプレキャスト床版による床版取替工法です。
従来のコンクリート床版は、アスファルト舗装のひび割れや橋面排水装置の損傷から生じる水の影響により、コンクリートや鉄筋の劣化が促進することが分かっており、床版内部に雨水を浸透させないための防水工を建設現場で行っていました。
一方で、高速道路リニューアルプロジェクトの床版取替工事においても、高速道路サービスの提供に向けて、施工期間中の工事規制日数を少しでも減らすことが求められています。
このため、従来規制期間中に行っていた防水工に着目しました。超高強度繊維補強コンクリート(UFC:Ultra High Strength Fiber Reinforced Concrete)であるスリムクリート®の防水性能を活用し、プレキャスト工場にてUFCとコンクリートとの複合構造とすることで、床版表面の防水性能をあらかじめ確保したプレキャストPC床版を製作します。現場での防水工が不要となるスリムトップは、高速道路リニューアルプロジェクトでの工期短縮、道路規制期間の短縮を図ります。
お客様のメリット
施工日数を短縮します
- UFCとコンクリートとの複合構造であるPC床版をプレキャスト工場で製作し、建設現場へ運搬して設置します。床版接合部にもUFCを用いることで、床版全面をUFCで覆い、床版の防水性を確保します。建設現場での別途の防水工が不要となることから、施工日数が短縮されます。
長期の防水性に優れています
- プレキャストコンクリートの製造および供用中の荷重作用などによるひび割れが起こらないよう、UFCの厚さは2~5cmとしています。 UFCは防水性を有するため、舗装を浸透した雨水はUFC上で排水され、従来の防水工と同様にコンクリート内部への浸透を抑制します。
- 実物大の床版切り出しモデルを用いた輪荷重走行試験により、設計供用期間である100年相当の使用状況を再現し、防水性能が保持されていること、十分な疲労耐久性を有すること、コンクリートとUFCとの一体性が確保されていることを確認しました。
- また、プレキャストPC床版同士の接合部は、スリムクリートを採用したスリムファスナー®で接合することで、床版部と同様の防水性を確保しています。
- ※1 プレキャストPC床版
工場で製作するプレストレストコンクリートの床版