環境にやさしいシールドマシン用充てん材

シールノックBD

生分解性を有し、止水・圧送性能が高いテールグリース

シールノックBDとは?

シールドマシンの後端部にはセグメントと密着させることでシールドマシン内に地下水が流入するのを防ぐ、テールシールと呼ばれる止水機構が備えられています。テールシールは主にワイヤーブラシと鉄板で構成され、ブラシ自身やセグメントと密着する部分に常に充てん材(テールグリース)を補給することで止水性能を維持しています。

一方、地下水が利用されている場所をシールドマシンが通過する際などには、地下水にテールグリースの油成分が流出するリスクが懸念され、環境への配慮が求められています。

シールノックBDとは、シールド工事におけるテールシール充てん材を改良し、従来品(シールノックCR)が持つ止水性、裏込め注入材(※1)が混入しても固化しにくいといった高い基本性能を確保しつつ、生分解性を有する材料を用いた、低毒性で環境に優しいテールグリースです。

テールシール構造図およびシールノックBDの外観と荷姿

お客様のメリット

生分解性を有し環境に優しい

  • 従来のテールグリースは、主成分に生分解性を持たない材料を使用していましたが、シールノックBDは、主成分に生分解性を有する材料を使用しているため、環境負荷を大幅に低減できます。
  • 高い生分解度と生物への安全性を有することが認められ、公益財団法人日本環境協会 エコマーク事務局から、テールグリースとしては初めてエコマーク(※2)の認定を受けました。

高い止水性で安全性を確保

高い止水性により、トンネル内の安全性と作業性を確保します。テールグリースの止水性能を計測する耐水圧試験、および施工現場での適用試験で、従来品と同等以上の止水性があることを確認しました。

また、裏込め注入材が混入しても、圧送可能な軟らかさ(ちょう度)を従来品と同様に混入後24時間程度保持します。固結を防ぎながらちょう度を保つことが可能なシールノックBDをテールシールに常時補給することで、高い止水性を維持するとともにセグメントの損傷を防止します。

裏込め注入材混入後のちょう度の経時変化

大断面のシールドに適しています

テールグリースは、シールドマシンの後方の台車に設置された給脂ポンプを用いて、テールシールに配管を通じて圧送されます。圧送距離は大断面シールドでは100m近くになる場合もあり、必要な圧送圧を確保するため、高粘度液専用の大型給脂ポンプが採用されています。

シールノックBDの圧送性を試験室および施工現場での適用試験で確認したところ、テールグリース圧送時のポンプ負荷を、従来品と比較して約3割軽減できることを確認しました。

グリース圧送試験結果
テールグリース給脂 イメージ
  • ※1 裏込め注入材
    セグメントはシールドマシンの中で組み立てられるため、セグメント外径はシールドマシンの掘削外径よりも小さくなる。裏込め注入材は、この外径の差によって生じる隙間を埋めるために注入するセメント系材料で、シールドマシン掘進後の地山の緩みを防ぐとともに、セグメントを地山内に固定する目的で、一般的に掘進時にセグメントに開けた穴から注入される
  • ※2 エコマーク
    公益財団法人日本環境協会 エコマーク事務局が、環境保全に役立つと認められる商品に対して表示を認可するラベル。シールノックBDは、同事務局が定める商品の認定基準(生分解度60%以上を有することおよび魚毒性を有さないこと)を満たし、第三者機関(一般財団法人化学物質評価研究機構)における試験をクリアすることで、エコマークの認定を受けた
  • 「シールノック」はENEOS株式会社の登録商標です。

【実績・適用例】

  • 下水道工事 2件

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