山岳トンネルの切羽前方地質の予測結果を取り込んだ新たなCIM
山岳トンネル予測型CIM
設計、施工、維持管理データの統合
山岳トンネル予測型CIMとは?
切羽前方の地質状況を高精度に予測するノンコア削孔(さっこう)切羽前方探査「トンネルナビ®」(※1)や高速ノンコア切羽前方探査「水圧ハンマーナビ®」(※2)、「トンネル弾性波探査」(※3)などのデータをCIM(Construction Information Modeling/Managements)の情報として取り込み三次元に可視化し、切羽の前方地質を予測します。さらに施工時の坑内観察情報、各種計測データ、修正支保パターン、材料データなどを取り込むことで、山岳トンネル工事において、施工中から施工後の維持管理まで効率的に行えるマネージメントツールとして活用します。

お客様のメリット
前方探査結果の三次元可視化
- 「トンネルナビ」や「水圧ハンマーナビ」、「トンネル弾性波探査」などの結果を三次元可視化できます。また、ボーリング孔内観察画像で得られた岩盤中の割れ目から予測されるキーブロック(※4)を、CIMモデル上に表示することもできます。これにより掘削前に適切な対策方法を検討できます。

施工、維持管理データの統合化
- 設計時の地形・地質データや当初支保パターンを取り込んだ3Dモデルに、施工時の前方探査や坑内観察情報、各種計測データなどを取り込み、比較することで、情報を施工にフィードバックでき、工期の遵守につながります。また情報の一元管理が可能で、維持管理にも貢献します。

【実績・適用例】
- 冠山峠道路第2号トンネル工事 ほか
- ※1 ノンコア削孔切羽前方探査「トンネルナビ」
ジャンボと呼ばれる削孔機械によって、切羽前方を50m程度ノンコア(岩石コアを採取しない)で高速穿孔(せんこう)し、得られる機械データ(削孔速度、押し付け圧、回転圧など)を元に岩盤の硬軟、断層破砕帯の有無を見つけ出す技術 - ※2 高速ノンコア切羽前方探査「水圧ハンマーナビ」
専用のロングフィード式油圧ボーリングマシンにダウンザホールハンマー式(先端駆動型)の水圧ハンマーを搭載することで、トンネル月間進行長に相当する、切羽前方150mの地質を約8時間の短時間で探査できるシステム - ※3 トンネル弾性波探査による湧水帯の予測
山岳トンネル坑内の発破によって行う弾性波探査により、切羽(掘削面)前方の脆弱層ばかりでなく帯水層も予測し、事前に大量湧水帯や突発湧水帯を把握する技術 - ※4 キーブロック
山岳崩落の可能性がある岩塊。地山内部には大小さまざまな割れ目が存在しており、トンネルを掘削することで、この割れ目とトンネル掘削面でブロック状の岩塊が構成され、崩落する危険がある