医療法人 林病院

越前の伝統を継承し、地域医療を支える新病院をめざして

地方駅前のランドマークとしての存在感を強調する重厚な外観

福井県越前市にある医療法人林病院は、1913(大正2)年に創設され、100年以上にわたって地域医療を支えてきた歴史のある病院です。JR武生駅前に位置し、地域住民の健康を支える中核病院としての役割を担ってきました。

武生駅前には市役所や公会堂など歴史を感じさせる街並みが見られます。新病院でも重厚かつ時間とともに深みを増す武生の建築物に調和するよう、外壁に化粧打放しコンクリートの壁を設け、駅前のランドマークとして存在感のある建物としました。

患者や見舞客の気持ちが安らぐ内装プランニング

内部は、明快な動線計画と、患者や見舞客の気持ちが安らぐ内装プランニングをテーマとしました。外来待合やリハビリ室、デイルームなどの人々が多く集まる場所に自然光をふんだんに取り入れ、不安な気持ちで来院される患者や見舞客の気持ちが少しでも安らぐように配慮しています。

1階エントランスには越前箪笥の職人が製作した飾り木壁、総合カウンター背面には越前和紙を使った照明を設けるなど、地元の伝統工芸を活かすことで、インテリアにも越前市の歴史を取り入れました。

医療機器調達とLAN計画および開業支援をサポート

大型放射線機器であるMRI・CTの調達、ならびにLAN配線計画などの情報システムの導入を大林組にて支援し、建物と一括して引き渡しを行いました。別途工事となることが多い医療機器や情報システムの工程管理業務の窓口を一元化することで、病院への報告・連絡を効率化することができました。

また、開業支援として、病院移転計画支援、患者搬送シミュレーション、患者搬送ルート整備を行いました。移動する患者にストレスがかからないよう、既存棟から新病院までベッドのまま搬送する計画を検討し、搬送ルートの段差解消を徹底しました。さらに雨天対策として搬送経路に仮設テントを設ける計画を立案しました。患者搬送当日は急な天候不良により風雨となりましたが、病院スタッフの協力により患者に不快な思いをさせることなく無事に搬送を終えることができました。

仮設経路計画図

お客様の声「林病院」

林病院 院長補佐 山本信一郎

林病院はJR武生駅前かつ越前市役所の正面に立地しており、市街地活性化計画に併せて2014年4月から前検討を開始しました。病院内で可能な限りの検討を踏まえ基本構想、基本計画を経て、2016年4月N建築事務所に基本設計を依頼しました。2016年秋には設計施工で発注入札を経て大林組に決定しました。2017年8月着工、途中豪雪にて一時工事遅延を余儀なくされましたが、各部署とのきめ細かなヒアリングや定例会議(週1回)、総合定例会議(月1回)などを経て、予定通り2019年3月には竣工しました。さらにMRI、CTなどの大型機種選定・移転納入タイミングなどについても力になって頂きました。緻密な患者移転計画にて移転翌々日には手術・外来を含めて通常診療が開始できました。機能性に優れた建物であり市民の方からも好評を得ています。

■計画概要

病床数199床、延べ床面積1万1,793m²、鉄筋コンクリート造、地上10階建て
所在地:福井県越前市

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