このたび、株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:白石 達)とPSM Construction USA(株式会社ピーエス三菱の子会社)の施工により2010年8月に完成した「フーバーダムバイパスプロジェクト - コロラドリバー橋」が、米国土木学会において50年を超える歴史を持つ伝統と権威のあるアワード「Outstanding Civil Engineering Achievement (OCEA) Award」を受賞しました。
「OCEA」は、American Society of Civil Engineers (ASCE, 米国土木学会)から、その年の最も優れた土木プロジェクトに授与されるものであり、プロジェクト建設にかかわった事業主、設計者、施工者が受賞対象です。同賞は1960年から半世紀以上の歴史を持つ米国土木分野では最も権威のある賞であり、過去には「John F. Kennedy International Airport」なども受賞しております。
選考は、ASCEにおいて土木技術発展に関する寄与や社会的貢献度の大きいプロジェクトを候補として絞り、その上で、ASCE主催のOutstanding Projects And Leaders (OPAL) Galaにて最終受賞者を決定するものです。大林組は2007年にも「ゴールデンゲート橋耐震工事プロジェクト」においてJVの構成員として同賞の受賞実績を有しております。
今回の選出については、米国土木学会により米国内で特に優れたプロジェクト5件が選出され、3月23日に開かれたOPALにて最終選考を行い、周辺地域のBCPを阻害するテロの脅威緩和や高度な施工技術の採用、および幹線道路の慢性的な渋滞の解消などの評価により、大林組JVが施工した「コロラドリバー橋」が2012年の受賞物件として選定されました。
受賞への評価ポイント
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テロの脅威緩和
フーバーダムは、ダムの南西部全域に水と電力を供給しており、当該地域のBCPに重要な役割を持つものの、ダム堤体上に道路が位置している関係で、テロからの攻撃に対する脆弱性が懸念されていた。当バイパスの構築により、観光車両のみがダム堤体上を走行するため、車両の規制・チェックが容易となり、安全性が向上した。
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高度な施工技術の採用
(1)西半球で最長支間のコンクリートアーチ橋(支間:323m)
(2)世界で最も高いプレキャスト橋脚柱(橋脚高:最大87m)
(3)米国で最初の鋼・コンクリート複合アーチ橋
(4)厳しい環境下(断崖絶壁、高温、強風)での建設 -
慢性的な渋滞の解消
ネバダ州側とアリゾナ州側を結ぶ幹線道路が、観光名所であるフーバーダム堤体上を経由しており、一般車両と観光車両が頻繁に行き交い慢性的な渋滞を引き起こしていたが、「コロラドリバー橋」が構築されたことにより、大半の一般車両がバイパス側に流れ、渋滞が解消した。
なお、コロラドリバー橋の施工に採用されている「鋼製ストラット付きコンクリートツインアーチ橋」の施工技術は、「科学・技術フェスタin京都 -平成22年度産学官連携推進会議-」において、産学官連携功労者表彰の「国土交通大臣賞」も受賞しております。
大林組では、今後も高度な施工技術を必要とする世界各国の大型プロジェクトや、国のセキュリティーレベル向上を目的とした重要な施設を施工し、技術力を通じて世界各国のお客様からの信頼にお応えする高品質な建設サービスを提供してまいります。
【工事概要】
工事名称:フーバーダムバイパスプロジェクト - コロラドリバー橋
施工場所:米国ネバダ州とアリゾナ州の州境
発注者:Federal Highway Administration(連邦高速道路局)
施工者:大林組(当社持分75%)とPSM Construction USAの共同施工
契約工期:2005年2月~2010年8月(67ヵ月)
構造・規模:RC造、全長約579m、幅約27m(アーチ支間 323m)
以上
この件に関するお問い合わせ先
大林組 CSR室広報部広報第一課
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プレスリリースに記載している情報は、発表時のものです。
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