日本初の高層純木造耐火建築物の建設に着手

健康・快適性を高め自由闊達なコミュニケーションの誘発により新たな企業文化を醸成する研修施設

プレスリリース

株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:蓮輪賢治)は、大林組グループの持続的な成長に向けた次世代型研修施設として、日本初かつ世界的にも類を見ない、構造部材(柱・梁・床・壁)すべてを木材とした、高層純木造耐火建築物の建設に着手しました。

  • 企業文化を醸成する研修施設

本研修施設は、自由闊達(かったつ)なコミュニケーションの誘発により、新たなイノベーションや企業文化を生み出すことをコンセプトとした次世代型研修施設です。このコンセプトの実現に向け、日本初となる高層純木造耐火建築物を建設します。木質化された空間がもたらすリラクゼーション効果や調湿効果に加え、風、光、香りなど自然を取り込むデザインや技術が、利用者の健康と快適性を高め、研修効果の向上を図るとともに、自社開発したスマートビルマネジメントシステム「WellnessBOX」と利用者のバイタルデータとを関連付け、バイタルデータに基づく快適な研修・宿泊環境を提供する計画です。

また、建物の外皮負荷を最小化し、自然エネルギーを積極的に活用したうえ、建物の利用計画・方法を勘案した最適な環境技術を多数導入することで、一般的な建物と比較してエネルギー消費量が50%以下となるZEB Ready(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル・レディ)を実現し、さらには大林組技術研究所(東京都清瀬市)本館テクノステーションでの実績を踏まえて、ウェルネスに配慮した建物・室内環境評価基準であるWELL認証、およびLEED認証の取得をめざします。

高層純木造耐火建築物の建設に当たっては、大林組の耐火木造技術「オメガウッド(耐火)」を構造部材として適用します。特に1階柱には日本初となる3時間耐火仕様を採用します。

鉄筋コンクリート造と同様のスパンで中高層化するには、梁・柱接合部を高剛性化、高耐力化しなければならないという課題がありました。今般、省CO2だけでなくCO2固定化の観点から純木造とし、かつ現場での施工の容易性を確保しつつ課題を解決するため、新たに柱と梁を一体化する「金物を使わない剛接合仕口ユニット」を開発しました。接合部にGIR工法(※1)や貫(ぬき)のめり込み強度を高めた新開発の超厚物合板などの技術を組み合わせることで高剛性、高耐性、高靭性を併せ持ち、さらにあらかじめ工場でユニット化することにより高い施工性も実現する工法です。本研修施設では、「金物を使わない剛接合仕口ユニット」に免震構造を組み合わせることで非常に高い耐震性を実現します。また、宿泊室の床には新規に開発予定のCLT(※2)遮音床を採用し、木造建築普及をめざします。

  • 金物を使用しない剛接合仕口ユニット

今般、大林組は2011年に策定した中長期環境ビジョン「Obayashi Green Vision 2050」を発展させ、大林組グループ一体で「地球・社会・人」と自らのサステナビリティを同時に追求するため、「Obayashi Sustainability Vision 2050」へと改訂しました。このビジョンに基づき本研修施設の建設に必要な資金の一部をサステナビリティボンドの発行により調達するとともに、ウェルネスの観点から高い優位性を持つ木材の利用促進に向け、本研修施設の施工段階においては国産木材のサプライチェーンの最適化や材料の無駄を排除する最適な部材形状の検討、フルBIM活用による木部材ごとの調達情報の明確化に取り組みます。大林組は日本初となる高層純木造耐火建築物への取り組みで得られる知見を活用し、さらに「地球・社会・人」のサステナビリティの実現に向けた活動を広げていきます。

次世代型研修施設の概要

施工場所 神奈川県横浜市中区弁天通二丁目22番、23番(敷地面積:563.28m²)
工期 2020年3月~2022年3月(24ヵ月、既存建物解体期間を含む)
延べ面積 3,620m²
階数 地下1階、地上11階
構造 純木造免震構造(耐火建築物)
        
  • ※1 GIR工法
    接合ロッドと接着剤を併用し木材を接合する方法
      
  • ※2 CLT
    Cross Laminated Timber(クロス・ラミネイティド・ティンバー)の略。CLTは板の層を各層で互いに直交するように積層接着した厚型パネルのことで直交集成板ともいう

以上

この件に関するお問い合わせ先
大林組 コーポレート・コミュニケーション室広報第一課
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