米国・オープンイノベーション拠点がJAPANコンストラクション国際賞の特別賞を受賞

サステナビリティ

大林組がオープンイノベーション拠点としてシリコンバレーに設立したObayashi SVVL

国土交通省が主催する「第5回JAPANコンストラクション国際賞(国土交通大臣表彰)」で、大林組の米国における研究・活動拠点Obayashi SVVL (シリコンバレー・ベンチャーズ&ラボラトリ)の「米国シリコンバレーにおける建設テック創出のためのオープンイノベーション活動」が特別賞(先駆的事業活動部門)を受賞しました。

JAPANコンストラクション国際賞は、「質の高いインフラ」の象徴となり、日本の強みを発揮した建設プロジェクトや海外において先導的に活躍している中堅・中小建設関連企業を表彰するものです。海外における日本の建設産業の競争力向上と海外進出の支援を目的に2017年度に創設されました。

特別賞は、同国際賞の第5回を記念して新設されたもので、研究開発事業や人材育成事業などの、海外における「質の高いインフラ」の実現に寄与する事業活動を表彰しています。

Obayashi SVVLは、大林組が米国シリコンバレーにおけるオープンイノベーション拠点として2017年に開設しました。発足以来、スタートアップ企業や研究機関が持つ革新的なデジタル技術(ビジョン、AI、クラウド、IoT、ロボットなど)の建設産業への適用を促し、建設プロセスの生産性や品質の向上に寄与する製品・サービスの共同開発を行っています。

また、世界的な研究機関であるSRI International(※1)との戦略的パートナーシップ締結、スタートアップへの直接投資(現在10社)やベンチャーキャピタルへのファンド投資(現在5ファンド)を通じて、現地の建設テック(※2)コミュニティとの長期的な信頼関係を構築するだけでなく、開発した製品・サービスの日本市場での販売・普及でも支援・協業しています。

斉藤鉄夫国土交通大臣(左)から表彰状を授与される大林組社長の蓮輪賢治(右)
Obayashi SVVLオフィスでの検討風景

今回の受賞では、社内に研究開発部門を有する日本の大手ゼネコンの強みと、40年以上の米国事業によって培った経験や人脈などを活用し、日米オープンイノベーションプロジェクトの橋渡し役として貢献している点が高く評価されました。

表彰式では、Obayashi SVVLの事業内容とともに、開発事例としてSafeAI社(※3)と共同開発している、市販建設重機に後付けできるAIを活用した自律運転システムを紹介。鉱山開発や建設市場での事業展開を見据えて、日本で同システムの実証実験が行われていることを発表しました。

SafeAI社と共同開発している自律運転システムの日本での実証風景を動画でご覧いただけます

(動画再生時間:2分14秒)

大林グループは、カーボンニュートラルやウェルビーイングなどのグローバルな社会的課題をビジネス好機として捉え、建設業の枠を超えた新たな領域を拓く取組みを進めていきます。

【Obayashi SVVLを通じた新領域ビジネスの取り組み事例】

  • ※1 SRI International
    世界で最も大きな非営利独立研究機関の一つ。1946年にスタンフォード大学により地域の経済発展を支援する目的で設置され、1970年に完全に大学から独立し、米国の非営利科学研究組織となる
  • ※2 建設テック
    IT技術を建設分野に応用した新しい技術やサービス、技術革新の流れの総称
  • ※3 SafeAI社(SafeAI Inc.)
    建設重機メーカー大手のキャタピラー社とApple社の自動運転開発チームを経験したCEOが起業した米国のスタートアップ企業。重機のメーカーを問わず、後付けのユニットを取り付けることで自律走行を可能とする技術を持つ