カーボンネガティブを実現する「クリーンクリートN®」を現場打ちRC壁に初適用

長さ約40mの壁への適用で約3.8tのCO2排出量を削減します

ソリューション/テクノロジー

大林グループは、「Obayashi Sustainability Vision 2050」において目標の一つに「脱炭素」を掲げ、「カーボンニュートラル」を実現するための具体的な取り組みを推進しています。

その一貫として大林組は、CO2排出量が実質ゼロより少ないカーボンネガティブを実現できるコンクリート「クリーンクリートN」を2022年に開発。2023年3月に、現場打ち鉄筋コンクリート(RC)壁に初めて適用しました。

クリーンクリートNを用いることで、カーボンネガティブを達成したRC壁

クリーンクリートNは、産業副産物を活用することで製造時のCO2排出量を大幅に削減するクリーンクリート®の技術を発展させ、CO2を吸収・固定化した炭酸カルシウムを主成分とする粉体を混ぜ合わせることで、CO2排出量を最大120%削減します。

今回、神奈川県川崎市にある工場の建替工事において、長さ約40mのRC造の壁に、約14m³のクリーンクリートNを使用しました。一般のコンクリートと同様にコンクリートポンプを用いて打設しています。

使用したクリーンクリートNの配合は、一般のコンクリートに比べCO2排出量を106%削減するもので、今回の施工で約3.8tのCO2排出量を削減したことになります。

この初適用を通して、クリーンクリートNが一般のコンクリートと同様に製造・施工できることが確認でき、仕上がりも良好でした。また、今回は現場での打設でしたが、今後はRC部材を工場であらかじめ製作するプレキャスト製品としても展開する予定です。

コンクリートポンプを用いた打設状況

大林組は、「クリーンクリートN」の建設現場での適用事例を増やすことで、脱炭素社会の実現に貢献していきます。