Port Plus®、NTT ドコモ大阪南港ビルが日本免震構造協会賞を受賞

サステナビリティ

2023年6月13日、第24回日本免震構造協会賞の表彰式が開催され、大林組が設計、施工を行った「Port Plus 大林組横浜研修所」が作品賞に、耐震改修の施工を行った「NTT ドコモ大阪南港ビル」が業績賞に選ばれました。

日本免震構造協会賞は、免震や制振技術の発展と、安全で良質な建築物の整備に貢献していくことを目的に創設されたものです。作品賞は、免震構造の特質を反映した優れた建築物の実現に貢献した個人や団体に、業績賞は、免震構造の特質を反映した建築物などの優れた設計、改修、保全、維持、復元、困難なプロジェクトの実現などにおいて際立った業績をあげた個人や団体に贈られます。

作品賞
Port Plus 大林組横浜研修所

「都市に森をつくる」ことをテーマに、大林組の次世代型研修施設として建設しました。地上部分の構造体(柱・梁・床・壁)すべてを木材とした国内最高高さ44mの純木造建築です。木質の新しく魅力的な空間を実現するとともに、高い耐震性を備えて未来に永く存続する建築とするために免震構造を採用しています。

振り子の原理を利用した免震システムを採用することで、鉄骨造や鉄筋コンクリート造に比べて軽量な純木造建築物に対しても十分な免震性能を発揮します。また、新たに木造の剛接合仕口ユニットを開発し、従来の木造と比べて高い剛性と耐力を確保し、免震構造との組み合わせにより、大地震でも安全・安心な建物を実現しました。

今回の受賞では、免震構造を利用して日本初の高層木造建築を成立させるだけでなく、木質空間のもつ穏やかな快適さをいっそう引き出すため、IoTを広く活用し、環境調整に関する利用者の気づきと行動を促すなど、室内環境の最適化に関する技術的創意工夫がなされている点が高く評価されました。

撮影:株式会社エスエス 走出直道
対象 Port Plus 大林組横浜研修所
建築主・設計者・施工者 大林組

業績賞
NTT ドコモ大阪南港ビル

通信インフラは現代社会において欠かせない存在で、2004年に完成したNTT ドコモ大阪南港ビルは西日本エリアで重要な通信建物の一つです。屋上に通信用鉄塔を搭載した地上12階建てのビルで、免震構造を採用しています。

南海トラフ巨大地震の被害を想定し、今回、長周期地震動に対しても、通信障害を生じさせないために、改修を行いました。改修では、長周期地震動に対応するダンパーを新設するとともに、既存免震部材の交換などで耐震性の向上を図りました。

通信インフラを止めずに改修することが絶対条件の中、免震部材を交換するために建物をジャッキアップする必要がありますが、その期間中の地震対策も万全に行っています。既存の免震建物を改修して長周期地震動対策を施すという極めて珍しい事例に対し、先駆的な取り組みをしていることが評価され、業績賞を受賞しました。

対象 NTT ドコモ大阪南港ビル
長周期地震動に対する既存免震建物の免震層の改修
建築主 NTTドコモ
設計者 NTTファシリティーズ
施工者 大林組

大林組はこれからも、安全・安心な暮らしを支える耐震、制震、免震技術の開発を進めてまいります。