木造ハイブリッド構造の大林組仙台梅田寮がWELL認証・ゴールドを取得
-
サステナビリティ
大林組の自社施設である、木造ハイブリッド構造の社員寮「大林組仙台梅田寮」は、このたび、健康やウェルビーイングの観点から施設空間を評価する国際的な認証制度「WELL Building Standard™(WELL認証)(※1)」の「ゴールド」と、施設の運営管理を健康と安全性から評価する「WELL Health-Safety Rating(※2)」の認定を取得しました。
大林組は、「地球・社会・人」と大林グループのサステナビリティを同時に追求する「Obayashi Sustainability Vision 2050」のもと、木を中心とした豊かな循環型社会をめざす「OBAYASHI WOOD VISION」を掲げ、「脱炭素」「Circular Timber Construction®(※3)」「ウェルビーイング」の実現に向けて取り組んでいます。
仙台梅田寮の建設はその一つであり、建物全体で国産スギ材約830m³、国産カラマツ材約70m³を使用しており、建物のライフサイクルを通じて約540tのCO2を固定することで、低炭素社会(カーボンニュートラル)の実現に貢献しています。
これに加え、設計・建設・運営の各フェーズにおいて、健康増進につながる木質空間、静かできれいな木造建設現場、外気を活かした空調や非接触システム導入によるウイルス対策といった安全で安心な生活空間を追求するとともに、従業員の健康にこだわる食堂や自然を感じられる中庭を備えるなどの取り組みによって、WELL認証「ゴールド」の取得に至りました。
大林組は、仙台梅田寮の建設、運営を通して得た知見とノウハウを活用し、今後も「OBAYASHI WOOD VISION」の推進により、サステナブルな社会の実現に貢献していきます。
カテゴリ | テーマ | 実施策 | |
---|---|---|---|
空気 (Air) |
屋内喫煙の禁止 | 利用者の健康のため、本建物内での喫煙は共用部・寮室ともに電子タバコを含め一切禁止 | |
運動 (Movement) |
屋外の身体活動 スペースの提供 |
中庭にはバスケットのシュート練習用コート設置し、利用者の運動を幅広く推進 | |
光 (Light) |
視力(明るさ)の提供 | 利用者のタスクやアクティビティ、作業面の高さや年齢層を考慮に入れ、的確で効果的な明るさを提供 | |
食物 (Nourishment) |
果物と野菜の提供 | 食堂では、毎食4種類以上の果物(砂糖不添加)と揚げたり炒めたりしていない4種類以上の野菜を提供 | |
こころ (Mind) |
自然とのつながりの提供 | 2、3階の廊下、階段の床には芝生を連想させるカーペットを設置。寮室の壁3面はCLT(Cross Laminated Timber)とした。中庭・外構の緑化と館内の観葉植物の配置することで自然を感じられるように配慮 |
この他、水、温熱快適性、音、材料、コミュニティーの各カテゴリーでもさまざまな取り組みが認められました。
建物概要
名称 | 大林組仙台梅田寮 |
---|---|
所在地 | 宮城県仙台市青葉区梅田町一丁目 |
敷地面積 | 2,528.04m² |
延べ面積 | 3,677.43m² |
規模 | 地上3階建 |
構造 | 1階RC造(一部S造)、2・3階木造(一部RC造)、壁式構造 |
用途 | 寄宿舎 |
竣工 | 2023年3月 |
設計・施工 | 大林組 |
- ※1 WELL Building Standard™(WELL認証)
世界で初めて建物利用者の健康・快適性に焦点を置いた国際的な建物・室内環境評価制度。米国IWBI(International WELL Building Institute, PBC)が制度の運用管理、第三者機関であるGBCI(Green Business Certification Inc.)が評価、認証を行っている。2014年の運用開始以降、世界40ヵ国以上で計1,291件が認証を得ている。国内では、2017年11月に建物全体としての世界初認証を「大林組技術研究所本館」が取得して以来、45件が新規で認証され、その内20件がプラチナ認証、20件がゴールド認証である(2024年1月24日現在) - IWBIウェブサイト
- ※2 WELL Health-Safety Rating(WHSR)
感染症や緊急事態に対する建物や施設の運用方針、維持管理手法、利害関係者の関与、緊急時計画など、稼働中の施設の運用管理を評価、認定する制度。コロナ禍の2020年6月に開始され、現在、世界で4,328件、国内で22件の施設が認定されている。主に運用管理面を評価する要件項目が中心で、毎年の更新手続きが必要。WELL認証と同じく、制度の運用管理などをIWBIが、審査をGBCIが行う(2024年1月24日現在)
- WELL Building Standard、WELL Health-Safety Ratingの概要は、一般社団法人グリーンビルディングジャパン(GBJ)のウェブサイトを参照ください
- GBJウェブサイト
- ※3 Circular Timber Construction®
木造・木質化建築の推進にとどまらず、大林グループが保有する森林関連の事業実績やノウハウ・知見を活かし、国産木材に関する川上(植林・育林)から川中(加工・調達)、川下(建設、発電、リユース・リサイクル)まで、素材生産~製材~利用~植林という循環サイクル全体を持続可能で最適なものにする取り組み