自社研修施設「Port Plus®」が、既存建物の運用・保守を評価する「LEED O+M」のゴールド認証を取得

運用段階の建物環境データのタイムリーな状況把握が可能な建物環境性能評価プラットフォーム「Arc」を活用

サステナビリティ

大林組は、自社の研修施設「Port Plus 大林組横浜研修所」(神奈川県横浜市)で、国際的な環境性能認証制度「LEED認証(※1)」の既存ビルを対象とした「O+M(Building Operations and Maintenance 既存建物の運用・保守)」分野において、建物環境性能評価プラットフォーム「Arc(※2)」を活用して2025年9月にゴールド認証を取得しました。

LEED認証状

Port Plus 大林組横浜研修所は、「これからの知を育む場」をコンセプトとした次世代型研修施設として、2022年3月に大林組の設計施工で完成しました。地上部の主要構造部すべてを木材でつくった、完成時点で日本国内最高の高さ44m(11階建て)となる高層純木造耐火建築物で、二酸化炭素排出の削減と環境に配慮した施設です。2022年8月にLEED認証システムのうち新築建物の省エネルギー性能や環境影響などへの取り組みを総合評価する「BD+C (Building Design and Construction 建物設計・建設)」分野のゴールド認証を取得しています。

本施設では、計画当初からさまざまな省エネルギー施策を計画・実施しています。その一つとして、運用段階の建物環境データのタイムリーな状況把握が可能なArcを導入し、活用してきました。

建物のスマートビル化を進める、大林グループのオプライゾンでは、建物環境データをArcに自動でデータ連携(API連携)(※3)するビルアプリケーションサービスを提供しています。本施設においても、オプライゾンが提供する自動データ連携機能を実装し、環境データのモニタリングを実施しています。

Port Plus 大林組横浜研修所 外観(©エスエス 走出直道)

Arcによりエネルギー消費量、水使用量、廃棄物量、交通利用による温暖化ガス排出、滞在時の快適性などがタイムリーに数値化される。これら数値をモニタリングし、改善点を探ることが可能となる

施設の省エネルギー化やカーボンニュートラルを推進するためには、新築建物の環境性能を高めて長寿命化するだけでなく、既存建物に対しても運用段階で環境性能の把握・改善に取り組むことが不可欠です。また、Arcの導入と、オプライゾンが提供する自動データ連携機能を導入することで、スムーズなLEED認証(O+M)取得を実現します。

大林グループは、Arcの活用やLEED O+Mなどの環境認証の取得推進をはじめ、さまざまな施策により運用段階の既存建物の環境価値の向上を進めるなど、これからも脱炭素社会の実現に努めてまいります。

  • ※1 LEED(Leadership in Energy and Environmental Design)認証
    省エネルギーで環境負荷が少ないなど総合的に環境性能の高い建築物「グリーンビルディング(環境配慮建築)」の普及を目指すUSGBC(U.S. Green Building Council 米国グリーンビルディング協会)が運営する建物環境性能認証制度。第三者であるGBCI(Green Business Certification Inc. 米国グリーンビジネス認証協会)が認証審査するもので、2000年の運用開始からこれまでに約160カ国で約12万件が認証を得ている(2025年9月時点)
    USGBCウェブサイト
  • ※2 Arc(アーク)
    建物環境性能に関するデータの収集、管理、ベンチマークをサポートするウェブベースのプラットフォームで、LEED認証の開発、運用、審査を行うUSGBCと第三者審査機関GBCIにより開発された。全世界で4万9,000件、日本で3,500件以上のプロジェクトで利用されている(2025年9月時点)
    LEED v4.1 O+Mの本認証は、Arcの利用が前提の評価システムとなっている
  • ※3 Arcに自動でデータ連携(API連携)する機能
    建物環境データの取得・可視化・分析を行う際には、各設備機器のデータを中央監視システムなどから抽出して、別システムに再入力する方法が一般的だが、オプライゾンは、これら一連の作業をAPI連携により自動で行うことを目指し、Arcの「建物環境性能評価レポート」の自動作成に日本で初めて成功した
  • Arcを利用したオプライゾンのサービスについて:マネージドESGサービス(オプライゾン ウェブサイト)