大林組技術研究所本館で国内初の本格的「エミッションZEB 」を達成

最先端の環境・省エネ技術と運用手法でエネルギー収支ゼロの建物をめざします

プレスリリース

株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:白石達)は、大林組技術研究所本館テクノステーション(2010年9月末竣工、以下テクノステーション)において、2011年度の一年間のCO2の排出量をゼロとし、国内初の本格的「エミッションZEB(※1)」を達成しました。

技術研究所本館テクノステーション

技術研究所本館テクノステーション

最先端の環境技術と省エネ技術を導入したテクノステーションは、設備機器などの試運転・調整期間を経て、運用段階での年間(2011年4月~2012年3月)CO2排出削減量が、一般的な事務所ビルとの比較で57.2%削減となり、55%という目標値を上回る結果になりました。また、CO2排出量の残りをカーボンクレジットの購入により、年間のCO2排出量がゼロとなる「エミッションZEB」を達成しました。

テクノステーションのCO2削減の実績(2011年度)

テクノステーションのCO2削減の実績(2011年度)

これまでZEB化された建物の事例は、海外の使用期間が限定された、小規模かつ居住者の少ない教育、文化、宗教施設や非居住実験住宅などが中心でした。
テクノステーションでは、最先端の建設技術について200人を超える研究者が、環境と快適性を重視した空間の中で、日々積極的に交流しながら知的生産活動を行っています。このように、常時使用されている建物での本格的な「エミッションZEB」の実現は国内初です。

今後も、運用段階のエネルギー分析による改善、さらなる空調・照明システムの高効率化や、再生可能エネルギー導入などを継続的に推進し、これらのさまざまな取り組みによる成果を、災害時のBCPや節電対策など、お客様の多様なニーズに幅広く活用できるように積極的に適用していきます。

大林組は、「エミッションZEB」の達成にとどまらず、既に、テクノステーション単独で年間のエネルギー収支をゼロとする本格的な「ソースZEB(※1)」への新たな取り組みを始めています。テクノステーションのZEB化による開発技術や設計技術、運用改善のノウハウを蓄積し、ZEC® (※2)との併用により、2050年には建物のライフサイクル全体のエネルギー収支をゼロにするLCZ®(※3)の実現をめざし、広く社会へ向けて提案していきます。

LCZの概念のイメージ

LCZの概念のイメージ

※1 ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)
年間の生産するエネルギーと消費するエネルギーの収支をゼロにすることを指向した建物です。また、その達成度により以下の呼び方があります。

  • エミッションZEB
    積極的に省エネなどによる実質的な削減対策を行ったうえで、残りのCO2排出量についてはカーボンクレジットなどを活用して総合的にゼロにする建物です。

  • ソースZEB
    建物単体での運用時のエネルギー消費量をゼロにする建物です。

※2 ZEC(ネット・ゼロ・エネルギー・コンストラクション)
2020年を目標に国内の土木、建築の施工時のエネルギー使用量をゼロにする大林組独自の取り組みです。

※3 LCZ(ライフサイクルZEB)
ZEBにとどまらず、工事(新築・改修・解体)や使用資材の生産も含めてエネルギー使用のゼロ化を図った建物です。資材生産のゼロエネルギー化「ZEM(ゼロ・エネルギー・マテリアル)」、工事のゼロエネルギー化「ZEC(ネット・ゼロ・エネルギー・コンストラクション)」を進め、ZEBによる再生可能エネルギー創出で建物のライフサイクル全体のエネルギー収支をゼロにします。大林組の中長期環境ビジョン「Obayashi Green Vision 2050」に掲げる独自の取り組みです。

以上

この件に関するお問い合わせ先
大林組 CSR室広報部広報第一課
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