山の稜線を描く大屋根のクラブハウス

#7 市原ゴルフクラブ市原コースクラブハウス

1973年に完成した千葉・市原ゴルフクラブは、緑濃い自然の中にたたずみ、27ホールの「市原コース」と18ホールの「柿の木台コース」を備えています。2022年、市原コースのクラブハウスは、老朽化に伴う建て替えにより生まれ変わりました。

クラブハウスには、ゴルフ場建設前の山の稜線をなぞるような1枚ものの大屋根があり、自然環境に溶け込み、土地になじみつつも独創的です。市原コースにある3つのコースの最終ホールのどこから見てもその姿を現し、プレーヤーの印象に残る、新たな風景を刻んでいます。

また、クラブハウスの内部は、ダイナミックな大屋根に包まれるように、優しく温かみのある木素材とガラスで構成された空間となっています。老若男女を問わずあらゆるお客様にとって親しみやすく、一日を通して居心地良くゴルフライフを満喫できることをめざしました。

(撮影:エスエス東京 走出直道)
過去の航空写真や等高線データからかつての山の稜線を導き出す
切土されたクラブハウス周辺敷地
山の稜線を復元的に表現した屋根形状
緩やかなカーブのある大屋根で利用者を迎え入れる車寄せ(撮影:エスエス東京 走出直道)
エントランスを抜けると温かみのある木質素材で構成されたロビー空間が広がる。コース側を臨みプレーへと向かう高揚感や期待感を感じさせる(撮影:エスエス東京 走出直道)
木と鉄のハイブリッドでつくられた梁を屋根形状に沿って1.2m間隔で連続して配置。3次元曲面の大屋根の下にはダイナミック空間が広がる(撮影:エスエス東京 走出直道)
コース側は、全面窓枠のないガラスカーテンウォールを採用。フェイスガラスは断熱性能を確保するために空気層を含む複層ガラスとし、屋外側に配置したリブガラスは強化合わせガラスの構成とした。内部側のガラス表面から凹凸をなくしたことで、正面だけでなく斜めからの視界も確保し、上下左右にわたってゴルフコースへの開放的な眺望を臨む
コース側のハイブリッド梁を支えるのは直径8cmの鉄骨丸柱。大きな柱・梁で屋根を支えるのではなく、繊細な細い柱を細かく配置することで屋根に浮遊感を持たせ、独創的な大屋根をより印象的に見せるデザインとした(撮影:エスエス東京 走出直道)
壁面のルーバーに反射する光の陰影は⾒る場所・⾓度によって異なり、空間に柔らかな表情をもたらす(撮影:エスエス東京 走出直道)
(撮影:エスエス東京 走出直道)
(撮影:エスエス東京 走出直道)
(撮影:エスエス東京 走出直道)