研究施設

安定した実験環境を確保する「安全・安心」空間の設計手法

研究者の記憶に残る一瞬を逃さず、研究を次のステージに進めるためには、実験を確実に再現できる環境が重要です。ここでは、安定した実験環境を確保するためのさまざまな手法を、一般的な実験室を例にご紹介します。

大林組の研究施設 建築・設備設計をトータルに検討し、優れた空間を創出します

清浄度・封じ込めレベルに応じた「内装材の選定」

室内の清浄度の維持し、室内で扱う物質の漏洩を防止する必要がある場合は、そのレベルに応じて仕上げ材を選定します。また、清掃しやすい設計ディテールなどを採用し、細菌繁殖や埃の堆積を防止します。  

清浄度・封じ込め性能に応じた「建具の選定」
空調設備で室内環境を安定させる「適切な差圧管理」

実験室の清浄度や封じ込め性能は、扉などの設備スペックによっても大きく影響を受けます。扉自体の気密性能の向上や前室の設置といったさまざまな対策を講じるほか、空調設備によって適切な差圧管理を行うなど、さらなる安定化を図っていきます。
また、ドラフトチャンバーなどの局所排気設備を設置する場合でも、排気量に見合った空調制御で室圧の適正化を図ります。

粉体を使った実験に悪影響を及ぼさない「微風速給気システム」

微粉体を扱う実験などにおいて、天井からの吹き出し空気が実験作業に悪影響を及ぼしたことはありませんか?
粉体のハンドリングや秤量など、精度が要求される実験においては、空調吹き出しの方向や風速に留意した微風速給気システムにより、室内の気流発生を抑制します。  

大林組の研究施設 微風速給気システムの事例

粉体の実験作業に影響を及ぼさない「微風速給気システム」の事例
 

溶媒から発生する危険を確実に除去し、研究者の安全を確保する「床面排気方式」

化学実験室など、溶媒を使用する実験が多い作業環境では、溶媒から発生する溶媒蒸気を確実に除去することが重要です。溶媒蒸気は空気よりも重いという特性を利用し、床面付近の排気を計画することで、研究者を見えない危険から守ります。

大林組の研究施設床面排気方式

床面排気システムのイメージ
 

臭気の要因により方式を選定できる各種「臭気対策」

研究活動で発生する臭気によって、研究が遅れることがあってはなりません。
廊下に臭気が漏れないよう、前室前室の設置や陰圧制御を検討するとともに、室内の臭気が問題となる場合には経験豊富な専門スタッフが臭気を分析し、多くの方式から最適な臭気対策を選定します。

大林組の研究施設 臭気対策

酸素クラスターで空気中の悪臭成分を分解する脱臭方式

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