日建連表彰2024「BCS賞」「土木賞」を受賞

サステナビリティ

日本建設業連合会が主催する「日建連表彰2024」において、大林組が建設工事に携わった「エスコンフィールドHOKKAIDO」と「高槻城公園芸術文化劇場」がBCS賞を、「JR横須賀線武蔵小杉駅2面2線化他」が土木賞を受賞しました。

日建連表彰は、建築部門のBCS賞、土木部門の土木賞の2部門で構成される表彰制度です。BCS賞は、文化の発展と地球環境の保全に寄与することを目的に優良な建築物を、土木賞は、国民生活と産業活動の基盤の充実に寄与することを目的に優良なプロジェクトや構造物を表彰するものです。

今年で第65回を迎えるBCS賞では74件の応募の中から15件が、第5回となる土木賞では32件の応募の中から12件(特別賞2件を含む)が選出されました。

第65回BCS賞

エスコンフィールドHOKKAIDO

「世界がまだ見ぬボールパークをつくろう」をスローガンに、北海道日本ハムファイターズのホーム球場として2023年3月に開業しました。

天然芝球場を実現するため、一枚でスライドする世界最大の開閉式屋根と、自然光を取り入れる高さ約70mのガラス壁を備えています。球場建設においては、BIMを生かした4D施工管理システムを採用して見える化するなど、品質・作業効率の向上を図りました。

北海道の自然をフィールドに取り込むエスコンフィールドHOKKAIDOは、北海道の新たなシンボルとして地域経済の活性化にも寄与しています。 また、防災機能を備えた施設として、地域の避難場所としても機能します。非常用発電機や水の供給システムにより、災害時の安全性も確保しています。

多彩な用途が混在し、まちづくりの核となる建築を完成させた点や、気候条件の厳しい北海道で可動屋根やガラス壁といった特徴を持つ建築を実現した技術力などが高く評価されました。

北海道ボールパークFビレッジの中核施設として単なるスポーツ施設にとどまらず、ホテル、温泉・サウナ、ブリュワリー(ビール醸造所)などの用途を併設(©川澄・小林研二写真事務所)
建築主 ファイターズ スポーツ&エンターテイメント
設計者 大林組、HKS,Inc
施工者 大林組、岩田地崎建設

高槻城公園芸術文化劇場

かつての高槻城跡である公園とつながるように建てられた市民芸術文化劇場です。内外装には、周辺の木立に溶け込むようにイメージした、大阪府産の木ルーバーを張り巡らせています。

2023年の開館以降、大ホール・小ホールともに高い稼働状況を維持し、文化芸術の推進による地域活性化に寄与しています。

設計から施工段階に至るまでBIMを活用し、木材供給量に対して適切な数量を上限として、部位ごとの数量管理を徹底しました。特に工事段階では、内容変更に応じた数量の変化を設計・施工者間で共有し、施工精度を担保しました。

設計と施工がBIMを活用して連携し、地元杉材を活用した建築を実現した点が評価されました。

メンテナンス性と安全性に配慮し、高層部と低層部で木材とコンクリートの素材を使い分けた外観(©プライズ山崎浩治)
建築主 高槻市
設計者 日建設計
施工者 大林組

第5回土木賞

JR横須賀線武蔵小杉駅2面2線化他

2010年に開業したJR横須賀線武蔵小杉駅(神奈川県川崎市)の利用者急増に伴って駅内外の混雑が顕著となったため、下り線専用ホームを新設して2面2線化することで混雑緩和を図りました。

今回の工事では、設計段階から施工者が技術協力を行うECI(Early Contractor Involvement)方式が採用されたことで、設計の効率化に貢献しました。さらに、ICT・BIMを活用することで、調査・施工計画などの事前準備や施工精度の確認に要する時間を短縮させました。

また、狭あいなスペースでの施工であったことから、高架橋コンクリート部材を現場打設からプレキャスト部材へ変更したことや、地下水槽の構築に新しい土留め工法であるJ-WALL®Ⅱ工法を採用したことで現場での作業量を減らし、工程短縮を実現しました。

今回の受賞では、ECI方式の利点を生かし、発注者や設計者と連携して施工会社の持つ技術力とノウハウを取り入れ、駅利用者の安全性・利便性を早期に確保した点が評価されました。

ECI方式により設計段階から関与することで、安全に早く混雑緩和することに寄与しました
施設管理者 東日本旅客鉄道
設計者 JR東日本コンサルタンツ
施工者 大林組

大林組は今後も、建設プロセスに関わるすべての関係者と良好な関係を築き、良質な社会基盤の創出や心地よい空間づくりに努めるとともに、安全で安心な暮らし、文化の創造・継承、そして建設技術の発展に貢献してまいります。